MLP、PTPとは?
MLPは「Master Limited Partnership」の略、PTPは「Publicly Traded Limited Partnership」の略です。
PTPは、取引所に上場しているリミテッドパートナーシップ(LP)またはLLCを意味します。(リミテッドパートナーシップおよびLLCの説明は、こちらを参照してください。)
そのうち、MLPは、一般的に、エネルギーや天然資源関連など、実体の事業を行っているものを指します。MLPは、パートナーシップのもつ税法上のメリットと上場株式の流動性を併せ持つもので、米国では100以上のMLPが上場されています。
National Association of Publicly Traded Partnerships
http://www.naptp.org/
1987年に制定された歳入法により、MLPは、90%以上の収益を特定の事業から獲得しなければなりません。多数のMLP(銘柄数ベースで約80%、時価総額ベースで90%)は、エネルギー、天然資源に関連する銘柄で、主に石油、天然ガス、石炭等の採掘、輸送、備蓄などの事業を行っています。Emergency Economic Stabilization Act法によって、MLPとして適格な収益の範囲は、拡大しています。天然資源に関するものだけではなく、バイオ燃料や多様な代替エネルギーに関連する収益も適格とされています。
投資対象としてのMLPと株式の最大の相違点は、税金です。
コーポレーションと違って、パートナーシップは「パススルー」の制度によって課税主体ではありません。パートナーシップが稼いだ所得は、パートナーシップのレベルでは課税されず、構成員である各パートナーのレベルで課税されます。減価償却等についても各パートナーにパススルーされるため、税負担はさらに軽くなります。大半のMLPのパートナーへの分配は、4半期ベースで実施されています。
分配金のうち、純利益をこえる部分は、資本の払い戻しとして、各パートナーの課税所得から減額されます。この部分については、パートナーがパートナーシップの持分を売却するまでは課税されません。確定申告の時期になると、パートナーは、(確定申告に必要な情報である)自分の持分の利益や控除の明細である「Form K-1」がパートナーシップから提供されます。
(コーポレーションとパートナーシップの違いは、こちら「米国の事業形態」を参照してください。)