はじめに
今日から新年度です。幸先良いスタートがきれると良いですね。
年金制度の変更や、成人年齢引き下げなど、新年度でいろいろ変わるようですね。
私個人的には、高校の公共(現代社会から変わる新科目)と家庭科で金融教育が必修になることに注目しています。
さて、2021年にIPOした米国企業(約400社)の大部分の株価は、IPO価格を下回っています。しかしそうした中でも、勝ち組になっている銘柄があります。今回の記事は、そうした優良IPOを紹介したいと思います。
2021年のIPO企業のリターン・ランキング
米国の投資雑誌バロンズが、2022年3月31日に、「2021年のIPO企業のリターン・ベスト10」をまとめていますので、ご紹介したいと思います。
元記事:Most 2021 IPOs Were Duds. These Are the Winners.
バロンズの抽出の条件は、以下の通りです。
- 2021年に、ナスダックまたはNYSEに上場し、5億ドル以上の収益を上げている企業
- ロックアップ期間(IPO前の株式の保有者が、上場後の90日から180日間、株式を売却することを禁じられている期間)の期限が終了している企業
シンボル | 銘柄名 | 上場日 | IPO価格 | 上場後のトータル・リターン※ |
DOCS | Doximity | 6/23/21 | 26.00 | 102.19 |
RYAN | Ryan Specialty Group | 7/22/21 | 23.50 | 66.55 |
DLO | dLocal | 6/2/21 | 21.00 | 56.90 |
BZ | Kanzhun | 6/11/21 | 19.00 | 46.05 |
DOCN | DigitalOcean | 3/23/21 | 47.00 | 32.72 |
EDR | Endeavor Group | 4/28/21 | 24.00 | 25.25 |
CWAN | Clearwater Analytics | 9/23/21 | 18.00 | 24.61 |
CFLT | Confluent | 6/23/21 | 36.00 | 23.08 |
CNM | Core & Main | 7/22/21 | 20.00 | 21.10 |
S | Sentinelone | 6/30/21 | 35.00 | 16.51 |
※トータル・リターンは、上場後の配当を含む総リターンを意味します。(情報元はFactSet)
上記10銘柄の、IPO後の株価推移は、以下の通りです。
(相対比較ではなく、縦軸の目盛を株価で示した絶対比較のチャートです。クリックで拡大できます。)
IPO直後に株価が加熱しても、市場全体が調整相場にあるなかで、上場後の最高値からは大きく下落している銘柄が多いです。
しかし上記の「勝ち組」銘柄群は、IPO直後から堅調な決算を発表しており、現在の株価は、IPO価格からは依然として相当に高い水準で推移しています。
- 2021年のIPO企業のベスト・リターンは、Doximity(DOCS)です。同社は、医師にクラウドベースのデジタルプラットフォームを提供する企業です。 株価は26ドルのIPO価格を一度も下回っておらず、直近は上のチャートの通り52ドル近辺で推移しています。FactSetによると、同社の配当を含むIPO価格からのトータルリターンは102%です。2022年2月、同社は第3四半期の収益が前年比で67%増加したと報告しています。
- 第2位は、卸売専門の保険ブローカーであるRyan Specialty Group(RYAN)です。 同社は2022年3月、第4四半期の収益が前年比で約16%増加したと報告しています。
- 第3位は、決済サービスを提供するdLocal(DLO)です。同社は2022年今月初めの決済会社は、四半期収益・EPSともに、市場予想を上回りました。
以下、中国のモバイル求人プラットフォームのKanzhun、クラウドコンピューティング・サービスのDigitalOcean、タレント・スポーツのエージェンシー企業Endeavor Group、投資管理ソフトのClearwater Analytics、クラウドソフトウェアのConfluent、排水・廃水等の専門企業Core & Main、AIベースのサイバーセキュリティ・プラットフォームのSentinelone、と続いています。
以上、ご参考になれば幸いです。