テスラ株の足元の状況
ここのところ、テスラ株が戻り基調ですね。下は、昨日(金曜)の引け時点の日足チャートです。
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長期移動平均線(200日、オレンジの線)の攻防が1カ月ほど続いた後に、今週は窓を開けて反発していますね。
今週、テスラについて、とりたてて大きなニュースはありませんでした。なぜ急上昇しているのでしょうか?
まずは、テスラ株に限らず、年初から売られたグロース株に、200日線で反発するチャート形状が多くなっています。日柄調整がそろそろ終了して、また足元でバリュー株からグロース株にシフトしているので、テスラ株も地合いの良さが追い風になっていると思います。
テスラ株が足元で回復基調である理由は何か?
今週のテスラ株の急騰の理由について、バロンズでは以下の4つの理由を挙げています(出所:バロンズ、2021年6月25日)
中国のEV銘柄が足元で急回復中である
下のチャートは、2021年年初からのテスラのパフォーマンスを、ニーオ、シャオペン、S&P500、ナスダック100と相対比較したものです。青がテスラ、赤がニーオ、紫がシャオペン、オレンジがS&P500、緑がナスダック100(緑)です。
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S&P500、ナスダック100ともに年初来プラスですが、テスラ・ニーオ・シャオペンはまだ年初来でマイナスです。ただし、足元でニーオ・シャオペンが急回復中で、テスラも同様に回復基調であることがわかりますね。
中国はEVの世界最大の市場であるため、中国の状況が良好であることはテスラにとっても追い風です。
第2四半期の納車台数は、堅調な結果が予測されている
バロンズは、「2021年の納車台数は900,000台に到達する」というウェドブッシュ証券のアナリスト予想を掲載しています(市場予想では約825,000台)。

テスラの2021年第1四半期(2021年1月~3月)の「モデルS/X/3/Y」の合計生産台数は18万338台、納車台数は18万4800台でした。2021年の生産台数は75万台が目標とされています。
バイデン政権のインフラ投資政策
バイデン政権のインフラ投資法案に、EVの購入インセンティブと充電インフラ関連が盛り込まれる可能性があります。
FSD(完全自動運転)ソフトウェアに関する進展
マスク氏が昨日、「FSD(Full Self-Driving:完全自動運転)ソフトウェアのサブスクリプション価格設定が1週間以内に進展する可能性がある」とツイートしています。
マスク氏はここ数年、完全な自動運転がもうすぐ実用化できる、と述べてきています。2020年末には、2021年中に「レベル5」に到達することを非常に確信している、と述べており、当初のスケジュールからは遅れていますが、開発は進んでいることを強調しています。

FSD関連のリリースの後、テスラ株の投資家の注目は、第2四半期の生産・納車台数と決算ですね。これらは7月に発表されます。