ADP雇用統計とは?
ADP雇用統計とは、米国の給与計算業務などのアウトソーシング会社であるAutomatic Data Processing, Inc.(ADP)が公表する雇用状況の調査レポートをいいます。
ADP社の顧客約50万社の約2400万人以上の給与計算データが母数であり、サンプル数は十分の規模です。このデータを基に、Macroeconomic Advisers, LLCが非農業雇用者数などの予測値を算出し、ADP雇用統計として公表しています。ADP雇用統計の公表開始は、2006年5月からと比較的歴史の浅い経済指標です。
ADP雇用統計の特徴は、毎月の本丸の雇用統計(労働省)が公表される毎月第1金曜日の2日前(第1水曜日・NY時間午前8時15分(夏時間:日本時間午後9時15分、冬時間:日本時間午後10時15分)に公表されるため、雇用統計の予測に影響を与える点です。データの公表開始から歴史が浅く、集計方法の変更もあり、雇用統計の数字と乖離がある場合が多いことから、注意が必要です。
雇用統計が事前予想よりも高くなるか低くなるかを予想するうえで、ADP雇用統計の市場へのインパクトは重要です。たとえば、ADP雇用統計での重要な増減によって、雇用統計の大幅な増減を市場が事前に織り込むことがあり、雇用統計の発表時点では市場の反応が軽減されることがあります。
2013年2月のADP雇用統計(2013/3/6公表):民間部門雇用者数・198千人増加
2013年2月の労働省雇用統計(2013/3/8公表):非農業部門雇用者数:236千人増加、失業率:7.7%
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2013年3月のADP雇用統計(2013/4/3公表):民間部門雇用者数・158千人増加
2013年3月の労働省雇用統計(2013/4/5公表):非農業部門雇用者数:88千人増加、失業率:7.6%