(1)はじめのサンプル
(2)参考書籍の紹介
(3)売買ロジックを考えてみよう
(4)自動売買にとって重要なスキル・経験は?
(5)自動売買に最も適した株価指数はどれか?
(6)自動売買のロジックの実例
(7)自動売買EAのバックテストによる評価方法
(8)「バックテスト」よりも「フォワードテスト」が重要
(9)24時間ずっと自動売買するための「VPS」を利用してみよう
貴方が働いている間や寝ている間も、株価指数を自動で売買させます!
楽天が「株価指数のCFD」の取り扱いを「MT4」で始めたので、これに対応して、「MT4による株価指数の自動売買」特集を始めたいと思います。
上のように、楽天でも「MT4で自動売買できる」と紹介されており、とてもおすすめです。
MT4(MetaTraderという無料ソフト)は、FX(通貨)の世界ではきわめてポピュラーで、MT4で動く「EA(Expert Adviser)」と呼ばれる自動売買ツールは、有料でたくさん出回っているほか、自分でプログラミングしてつくることも可能です。

楽天がCFDサービスを開始したことで、株価指数でも、FXと同様に自動売買を始める方が増えると思います。
当サイトでは、EAを自分でつくって本番運用ができるようになるまでの、一連の流れを何回かの記事に分けて紹介していきたいと思います。
まずは、株価指数の自動売買のサンプルをご紹介します。
「長短2本の移動平均線のゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売りを繰り返す(別名ドテン売買)」という単純なロジックを使います。
対象:ダウ平均(ダウ工業株30種)のCFD、時間足は1時間足
長短2本の移動平均線の期間:短期が20、長期が200の単純移動平均
バックテストの期間:3年(2018年1月~2020年12月)
※バックテストとは、過去の一定期間の実際のレート(ヒストリカルデータ)を使って、開発したEAを稼動させてシミュレーションをすることを言います。
バックテストの結果の損益グラフは、以下のようになりました。
(最適化前)
青いラインが口座残高の推移です。開始時500,000円の資金が、3年間で559,827円に増えていますが、途中のロスが大きく、まだまだ実用に耐えられません。
ドテン売買という超単純なロジックで、最適化と呼ばれるパラメータの修正や、フィルタと呼ばれる条件ロジックの追加をする前ですので、黒字になっているだけでまあ良し、としましょう(笑)。

移動平均だけで勝てるほど相場は甘くないのは、ご存じの通りです(笑)
実用に耐えるものにするには、まず移動平均のドテン売買という超単純なロジックからいろいろな見直しが必要ですが:
今回はドテン売買ロジックは残して、まず24時間フルに動く単純なロジックに対して、特定の時間帯だけエントリーするフィルタのロジックを追加、そして;
(1)短期移動平均線の期間
(2)長期移動平均線の期間
(3)エントリー可能開始時刻
(4)エントリー可能終了時刻
の合計4つのパラメータの組み合わせについて、「最適化」を行いました。最適化の結果は以下の通りです。
「短期MAが40期間、長期MAが280期間、エントリー可能開始時刻が16時、エントリー可能終了時刻が5時」
の組み合わせがよさそうです。

やはり米国市場が開く米国東部時間午前8時(上記MT4のサーバー時刻では15時)以降にエントリーの優位性が高くなる可能性があります。
この組み合わせで同じ3年のグラフをみると、以下のようになりました。
なお最適化をやりすぎると、過去の一定期間だけしか通用しない「過剰最適化」になるので注意が必要です。
今回は一連の流れを紹介するためだけのサンプルなので、次回以降に、もっと一般的なロジックを紹介していきたいと思います。

それでは、次回以降で:
・EA開発の参考書籍
・プログラミングのサンプル各種
・自動売買を始めることによるメリット
・「MT5で開発・最適化して、MT4で本番運用する」ことの意味
・バックテストの評価指標の見方
・24時間稼働させるためのVPS運用
などを紹介していきたいと思います。