(1)火星探査機が着陸。SPACと合併して続々と上場する宇宙関連銘柄に注目してみよう
(2)Ark Invest、宇宙探査関連の新ETF「ARKX」を準備中!
(3)ARKの宇宙関連ETF「ARKX」、3月30日取引開始
(4)ARKの宇宙関連ETF「ARKX」を、類似ETF「UFO」「ROKT」と比較してみよう
(5)ARKXの構成銘柄をめぐる疑問「ジョン・ディアが火星を耕す??」
火星探査機が火星に着陸
NASAの火星探査機「パーシビアランス」が日本時間の2月19日朝、火星に着陸しました。今後2年近くにわたり、生命の痕跡を探すほか、火星では初めてドローンの飛行試験を行うなど、将来の有人探査に向けた調査や実験を行う予定とのことです。

「パーシビアランス(Perseverance)」は、「忍耐力」という意味です。NASAは抽象名詞を付けますね。前回は「キュリオシティ(好奇心)」でした。
宇宙探査・宇宙旅行関連銘柄に注目してみよう
さて今回の記事では、宇宙探査関連の会社が続々とSPACと合併して上場する予定なので、まとめておきたいと思います。
参考:A Message From the Mars Rover: It’s Time to Invest in Space (Barron’s)
モーメンタス(Momentus)
カリフォルニアに本社を置くスタートアップ企業、モーメンタス(Momentsu)は、宇宙物流(”Space-logistics” service, “In-space transportation” services)を手掛ける会社で、「軌道間輸送(軌道間シャトル)」サービスを提供する会社です。
イーロンマスク率いるロケット打ち上げの会社「スペースX」は、地球観測衛星など複数の小型の人工衛星をロケットに「相乗り」させる「ライドシェア」の打ち上げを始めていますが、ロケットで到達する軌道は各衛星のミッションとは異なる可能性があるので、衛星側で自前のエンジンを噴射して目標の軌道まで移動する必要があります。しかし小型の衛星の場合、エンジン搭載は難しいこともあるので、ライドシェアで相乗りした各衛星のミッションに沿った軌道へ届ける「軌道間輸送」の需要が出てきます。モーメンタスは、スペースXのライドシェア打上げの最初の顧客になっています。
アストラ(Astra)
カリフォルニアに本社を置くアストラは、スペースXと同様の、ロケット打ち上げのスタートアップ企業です。
ロケット打ち上げのベンチャー企業は数多くありますが、その中でもアストラは、固有の設計思想でコスト競争力の高い小型ロケットの打ち上げを得意としています。
アストラはSPACのHolicity(HOL)と合併してナスダックに上場予定で、ロケット打ち上げ企業として初の上場会社となる予定です。
アストラのプレスリリース(2021年2月2日):
Astra to Become the First Publicly Traded Space Launch Company on NASDAQ via Meter with Holicity.
ブラックスカイ(BrackSky)
シアトルに本社を置くブラックスカイ(BlackSky)は、地理空間インテリジェンスサービスの会社です。2016年に最初の衛星「パスファインダ」を打ち上げて以降、「BlackSky Global Intelligence Platform」と呼ばれるシステムの開発や、NASAとの提携などをすすめています。

宇宙から解析した地理空間データがいろいろな分野で有望であることが、下の同社の動画でわかります。
以上3社のスタートアップ企業は、すでに上場しているバージン・ギャラクティック(次章ご参照)に続く宇宙関連の上場企業となります。
バージン・ギャラクティック(Virgin Galactic:SPCE)

バージン・オービット(Virgin Orbit)
なお、ヴァージン・グループのもう一つの宇宙ベンチャー企業であるバージン・オービット(Virgin Orbit)が、まもなく別のSPACのターゲットになる可能性があります(By Barron’s)。
バージン・オービットは、前述のバージン・ギャラクティックから分社したロケット打ち上げの会社です。バージン航空の旅客機の翼から小型ロケットを打ち上げるスタイルをとっています。(下の動画をご覧ください。)
宇宙探査・宇宙旅行関連のETF
まだローンチしていないですが、Ark Investが宇宙関連のETF「ARKX」の申請書類をSECに出しています。上記の宇宙探査・宇宙旅行関連の各銘柄が、ARKXの運用対象の候補になると見込まれます。