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コラム

アックマン氏の高級SPAC「PSTH」、UMG株式10%取得で複雑な展開へ(派手な合併上場を期待していた投資家は失望売り)

ビベンディが、傘下のUMG株式10%を、40億ドルでアックマン氏のSPAC「PSTH」に売却する方向で交渉中

映画にもなった著名投資家ビル・アックマン氏率いるSPAC「PSTH:パーシング・スクエア・トンチン・ホールディングス(Pershing Square Tontine Holdings)」に関連して、2021年6月4日、以下のような報道がありました。

2021年6月4日、仏メディア大手ビベンディが、傘下の米大手音楽会社ユニバーサルミュージックグループ(UMG)の株式10%を、40億ドルでアックマン氏のSPAC「PSTH」に売却する方向で交渉中、と各社が報道しました。ビベンディはUMGの60%を年内に株主に分配後、アムステルダム市場に上場させる計画で、月内に株主承認が得られる見通し、とされています。UMGにはテイラー・スウィフトやレディー・ガガなどのアーティストが多数所属しています。

この報道によって、「アックマン氏のことだから、このSPAC(PSTH)は派手なスタートアップと合併して上場するだろう」と期待していた投資家は、ガッカリして売りが集中、もともと期待が高く割高な水準だったPSTHの株価は、金曜日に以下のように▼11.94%の大幅下落で引けています。

PSTHの日足チャート(クリックで拡大できます。)

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PSTHが公表した複雑なスキーム

この件について、PSTHのWebサイトでは、以下のようなリリースが公表されています。

Pershing Square Tontine Holdings, Ltd. (“PSTH”) Confirms Discussions to Acquire 10% of the Ordinary Shares of Universal Music Group (“UMG”) for Approximately $4 billion, Representing an Enterprise Value of €35 Billion
(PSTHは、企業価値が350億ユーロに相当するUMGの普通株式の10%を約40億ドルで取得するため協議中であることを確認します。)
出所:Pershing Square Tontine Holdings, Ltd.のWebサイト、2021年6月4日
  • PSTHは、今年後半、UMGのユーロネクスト・アムステルダムへの上場を完了した後に、取得したUMG株式をPSTHの株主に配布します。通常のSPACのように、PSTHがUMGと合併することはありません。
  • UMG株取得に必要な資金は約41億ドルで、PSTH は、信託現金 (40億ドル+利息) と、パーシング・スクエア・ファンドおよび関連会社の先物購入契約の行使による約16億ドルの追加資金を使います。その結果、残りの15億ドルは PSTH Remainco (PSTHの残り)によって保持されます。
  • このディールに反対のPSTH株主は、1株あたり約20ドルで株式を償還する機会があります。
  • PSTHはUMG株式の分配後も15億ドルの現金を保有する公開会社であり続け(SPACではなくなりますが)、新しい事業結合パートナーを探します。
  • さらに、パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントは、パーシング・スクエアSPARホールディング(SPARC)を設立、SPARCは、SPARC株式を1株20ドルで購入できる権利(SPAR:Special Purpose Acquisition Right)をPSTH株主に分配します。

結果的にPSTHの株主は、以下の3つの証券を所有することになります。

(1)比例配分されたUMG普通株式(PSTH1株あたり約14.75ドルに相当)
(2)PSTHの残り(1株あたり約5.25ドルのキャッシュを保有)
(3)SPARC株式を1株20ドルで購入できる権利(SPAR:NYSEで取引予定)

バロンズやWall Street Jurnalでは、賛否両論のようです。新規の金融工学と見る向きや、失望する向きなど。
ビベンディの税務戦略の影響が大きいとか。

公表初日は(報道の内容やスキームがよくわからなかったこともあり)売られましたが、今後の値動きに注目です。バロンズは上の3つを合わせて28ドル台の評価をしています。

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