(1)SPACの概要
(2)SPACは普通のIPOより収益性が悪いことに注意!
(3)バーゲンセールのSPAC続出。ただし高級SPACは安くない。
(4)SPACの下落で利益を狙うETF「インバース型SPAC・ETF」が登場
(5)アックマン氏の高級SPAC「PSTH」、UMG株式10%取得で複雑な展開へ(派手な合併上場を期待していた投資家は失望売り)
(6)アックマン氏の巨大SPAC、UMG株取得を断念(新ターゲットはどうなるか?)
(7)SPAC上場を急減させたSEC文書(ワラントの負債処理)の背景
足元のSPACの状況
2021年5月21日時点の、SPACの今年のIPO数は、324件です。4月8日時点で302件だったので、(2020年のIPO数を既に超えているとはいえ)年初来のSPACのIPOの増加スピードは、急激に低下していることがわかります。
今年2月後半~3月の長期金利急上昇・成長株の調整相場のなかで、年初来で昨年のIPO数を超えて急増したSPACは、急速に軟調な展開になり、その後に米国株市場は回復しているものの、SPAC市場は低迷がより鮮明になっています。
下記はCNBCのSPAC指数です(2021年5月21日時点)
SPACの下落で利益を狙うETF「インバース型SPAC・ETF」が登場
こうした足元のSPAC市場の低迷の中で、5月19日、SPACの下落で利益を狙う「インバース型」のSPAC・ETFが登場したのでご紹介したいと思います。

一般企業を買収する前のSPACではなく、一般企業を買収した後のSPAC(De-SPAC)が運用対象です。
Tuttle Capital Management Launches Two New ETFs
(出所:Tuttle Capital Management, 2021-05-19)
Short De-SPAC ETF(ティッカー:SOGU)は、「De-SPACインデックス」という指数の、毎日のパフォーマンスの逆数(マイナス1倍)を追跡して運用されるETFです。このETFは、De-SPAC市場の下落で利益を狙う投資家や、既存のロングポートフォリオをヘッジしようとしている投資家などに適しています。
経費率:0.95%
全構成銘柄(2021年5月19日現在)
AEVA TECHNOLOGIES INC (AEVA) 4.00%
APPHARVEST INC (APPH) 4.00%
BUTTERFLY NETWORK INC (BFLY) 4.00%
BTRS HOLDINGS INC (BTRS) 4.00%
CHARGEPOINT HOLDINGS INC (CHPT) 4.00%
CLOVER HEALTH INVESTMENTS CO (CLOV) 4.00%
DESKTOP METAL INC (DM) 4.00%
DANIMER SCIENTIFIC INC (DNMR) 4.00%
E2OPEN PARENT HOLDINGS INC (ETWO) 4.00%
FISKER INC (FSR) 4.00%
GENIUS SPORTS LTD (GENI) 4.00%
CANOO INC (GOEV) 4.00%
HIMS & HERS HEALTH INC (HIMS) 4.00%
HYLIION HOLDINGS CORP (HYLN) 4.00%
LUMINAR TECHNOLOGIES INC (LAZR) 4.00%
OPEN LENDING CORP (LPRO) 4.00%
MP MATERIALS CORP (MP) 4.00%
NIKOLA CORP (NKLA) 4.00%
OPENDOOR TECHNOLOGIES INC (OPEN) 4.00%
PORCH GROUP INC (PRCH) 4.00%
PAYSAFE LTD (PSFE) 4.00%
QUANTUMSCAPE CORP (QS) 4.00%
LORDSTOWN MOTORS CORP (RIDE) 4.00%
SKILLZ INC (SKLZ) 4.00%
VELODYNE LIDAR INC (VLDR) 4.00%
なお、インバース型ではない通常型のETF「DSPC:The De-SPAC ETF」も同時に発行されています。
詳しくは運用会社のサイトでご確認ください。