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コラム

アックマン氏の巨大SPAC「PSTH」、UMG株取得を断念(新しい買収ターゲットはどうなるか?)

PSTHがUMG株の10%取得を断念

先月の6月4日、「著名投資家のビル・アックマン氏のSPAC、パーシング・スクエアトンティン(PSTH)が、UMG(ユニバーサル・ミュージックグループ)株の10%取得で調整中」との発表を、当サイトでも取り上げました。関連記事は以下をご覧ください。
アックマン氏の高級SPAC「PSTH」、UMG株式10%取得で複雑な展開へ(派手な合併上場を期待していた投資家は失望売り)
ビベンディが、傘下のUMG株式10%を、40億ドルでアックマン氏のSPAC「PSTH」に売却する方向で交渉中 映画にもなった著名投資家ビル・アックマン氏率いるSPAC「PSTH:パーシング・スクエア・トンチン・ホールディングス(Per...

これについて昨日7月19日、(アックマン氏のヘッジファンドである)パーシング・スクエアは新たに、「米SEC(証券取引委員会)の承認が得られず、PSTHはUMGの10%の株式取得計画を断念。同UMG株の取得はSPAC経由ではなく、パーシング・スクエアが長期株主としてすすめる。」と発表されました。

パーシング・スクエアとSECは度重なる協議を行いましたが、SECは「PSTHがこの取引を完了できることの確信を持てず、また今回のスキームがNYSEの規定を満たさない可能性がある。」と懸念を示していました。

PSTHのプレスリリースはこちらです。

Yesterday, our board of directors unanimously determined not to proceed with the Universal Music
Group transaction, and to assign our share purchase agreement to Pershing Square Holdings, Ltd.
(LN:PSH) (LN:PSHD) (NA:PSH) and affiliates (“PSH and affiliates” or “Pershing Square”). Pershing Square has also agreed to assume the Vivendi indemnity agreement and our UMG transaction costs.

昨日のPSTHの株価は、以下の通りです。(左側の矢印は、前回の発表のときです。)

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そもそも、PSTHのUMG株取得のスキームはどういうものか?

今回断念したアックマン氏のスキームは、そもそもどういう内容だったのかは、前回の記事をご覧いただきたいのですが、あらためてまとめると以下のようなものです。

2021年6月4日、仏メディア大手ビベンディが、傘下の米大手音楽会社ユニバーサルミュージックグループ(UMG)の株式10%を、40億ドルでアックマン氏のSPAC「PSTH」に売却する方向で交渉中、と各社が報道しました。ビベンディはUMGの60%を年内に株主に分配後、アムステルダム市場に上場させる計画で、月内に株主承認が得られる見通し、とされています。UMGにはテイラー・スウィフトやレディー・ガガなどのアーティストが多数所属しています。
この件について、PSTHのWebサイトでは同日の2021年6月4日、以下のようなスキームを発表しました。

  • PSTHは、今年後半、UMGのユーロネクスト・アムステルダムへの上場を完了した後に、取得したUMG株式をPSTHの株主に配布します。通常のSPACのように、PSTHがUMGと合併することはありません。
  • UMG株取得に必要な資金は約41億ドルで、PSTH は、信託現金 (40億ドル+利息) と、パーシング・スクエア・ファンドおよび関連会社の先物購入契約の行使による約16億ドルの追加資金を使います。その結果、残りの15億ドルは PSTH Remainco (PSTHの残り)によって保持されます。
  • このディールに反対のPSTH株主は、1株あたり約20ドルで株式を償還する機会があります。
  • PSTHはUMG株式の分配後も15億ドルの現金を保有する公開会社であり続け(SPACではなくなりますが)、新しい事業結合パートナーを探します。
  • さらに、パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントは、パーシング・スクエアSPARホールディング(SPARC)を設立、SPARCは、SPARC株式を1株20ドルで購入できる権利(SPAR:Special Purpose Acquisition Right)をPSTH株主に分配します。

結果的にPSTHの株主は、以下の3つの証券を所有することになります。

(1)比例配分されたUMG普通株式(PSTH1株あたり約14.75ドルに相当)
(2)PSTHの残り(1株あたり約5.25ドルのキャッシュを保有)
(3)SPARC株式を1株20ドルで購入できる権利(SPAR:NYSEで取引予定)

ややこしいですね。
まとめると:
PSTHの株主からみると、「このSPACがUMGと合併することはなく、投資額の約4分の3がUMG株として付与されて、残り約4分の1はPSTHとして引き続き新たな買収先を探す(ただしPSTHはSPACではなくなるので、買収期限はなくなる)。なおパーシングスクエアの関係会社のワラントが追加で付与される。」という仕組みになります。

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PSTHの新たな買収ターゲットはどうなる?

そもそも、映画にもなったアックマン氏という著名投資家のSPAC「PSTH」は、2020年7月に上場、これまでで最大のSPACであり、IPOの調達は40億ドルで、さらにターゲット先の合併時にパーシングスクエアによる先物購入契約が付随しているので、合計70憶ドルの巨額ディールになります。したがって買収ターゲット先は、真に価値のあるユニコーンに絞られます。

バロンズは、根拠のない噂レベルの情報として、これまでPSTHの買収ターゲットとして挙げられた企業として以下を挙げています。

  • Airbnb(2020年12月に、SPACを介さずに従来のIPOで上場)
  • ストライプ(決済サービス、最大のデカコーン)
  • ブルームバーグ(金融データの巨人)
  • スペースX(イーロンマスクのロケット会社)
  • チックフィレイ(ファストフードチェーン)
  • ポルシェ(スポーツカー)

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