
CRISPR-Cas9という画期的な遺伝子編集技術を基に、同時期に上場を果たして将来が期待されるバイオサイエンスのスタートアップ企業が3社あります。
– CRSP:CRISPR Therapeutics AG(クリスパー・セラピューティクス)
– NTLA:Intellia Therapeutics Inc(インテリア・セラピューティクス)
– EDIT:Editas Medicine Inc(エディタス・メディシン)
そのうち、現時点で市場の人気が最も高いのが、このクリスパー・セラピューティクスです。2020年にCRISPR-Cas9の功績でノーベル化学賞を(共同研究者のジェニファー・ダウドナ氏ともとに)受賞したエマニュエル・シャルパンティエ氏は同社の共同設立者の一人です。(一方、ジェニファー・ダウドナ氏は、インテリア・セラピューティクス(NTLA)の共同設立者の一人です。)
スイスに本社を置くクリスパー・セラピューティクスの主要製品候補は、鎌状赤血球症(かまじょうせっけっきゅうしょう:Sickle cell disease)を治療する「CTX001」です(同社のパイプラインをご参照ください)。そのほか、がん患者に腫瘍を標的とする免疫細胞を注入する治療法の試験が行われています。
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遺伝子編集の複数のスタートアップ企業が、現在、鎌状赤血球症の治療で競争しています。これは鎌状赤血球症が最も一般的な遺伝性の疾患であるため、成功すると他の臓器の分野での成功につながる可能性が高くなるためです。
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鎌状赤血球症は、赤血球の形状が鎌状になり、酸素運搬機能が低下して起こる遺伝性の貧血症です。ほとんどが黒人に発症し、主にアフリカ、地中海沿岸、中近東、インド北部で見られます。日本人にはほとんど見られません。

正常な赤血球は円盤状で真ん中がくぼんでいますが、鎌状赤血球症では、赤血球が(稲を刈る)カマ(というか三日月)のようなかたちになって、酸素をうまく運べなくなります。
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なお当銘柄は、「破壊的イノベーション」への投資で注目を集めるARK Invest(CEO:Cathie Wood氏)の「ARKK:ARK INNOVATION ETF」の構成銘柄です。こちらの参考記事をご覧ください。
業績・株価比較チャート(米国株.com式)
四半期ごとの売上高・当期利益(および1株当たり当期利益)の推移を、日足チャートと対比させています。
(クリックで拡大できます)最終更新日:2022年12月25日
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