テスラの第2四半期のビットコイン関連損失は?
テスラは、今年第1四半期決算(1月~3月)で、ビットコイン売却益が本業の利益を「かさ上げ」していることで話題になりました。一方、次の第2四半期決算(4月~6月)では、逆にビットコイン関連損失が本業利益を「切り下げ」ることになりそうなので、まとめておきたいと思います。
注:米国の会計基準におけるビットコインの会計処理(ASC 350)
ビットコインは、米国の会計基準では「耐用年数の確定しない無形資産」という扱いで、含み益は計上しない(売却すると利益計上)一方で、含み損は減損損失として計上します。
つまり、時価評価で含み益も含み損も計上する有価証券とは、扱いが異なります。
ビットコインは、米国の会計基準では「耐用年数の確定しない無形資産」という扱いで、含み益は計上しない(売却すると利益計上)一方で、含み損は減損損失として計上します。
つまり、時価評価で含み益も含み損も計上する有価証券とは、扱いが異なります。
テスラの2021年第1四半期決算の概要
まず、テスラの第1四半期(1月~3月)の10Qから、以下の状況がわかります。(同社IRページ)
- 第1四半期の四半期純利益:438百万ドル
- 第1四半期の希薄化後EPS:0.39ドル
- ビットコイン減損損失:27百万ドル
- ビットコイン売却益:128百万ドル
- 3月末のビットコイン保有数量:約42,000枚
- 3月末保有分のビットコインの取得価額の合計:約13億3000万ドル
- 3月末保有分のビットコインの時価評価額:約24億8000万ドル
- 3月末保有分のビットコインの平均取得単価:約31,666ドル

1Qの純利益438百万ドルのうち、ビットコイン売却益が128百万ドル(約30%)を占めていたので、利益の「かさ上げ」といった表現がされたわけですね。
なお下のチャートでわかる通り、2021年3月末のビットコイン価格は、約59,000ドルでした。
テスラの2021年第2四半期決算におけるビットコイン下落の影響予測
上述の通り、第1四半期末の時点で、テスラは約42,000枚のビットコインを、取得価額13億3000万ドル、1ビットコインあたりの平均取得価格31,666ドルで保有しています。なお、今年2021年に入ってから全ビットコインを取得(そのうち一部を1Qに売却)していると想定、つまり30,000ドルより下で取得したものは無い、と想定しています。
その後にテスラのビットコイン保有残高が変わらない(取得も売却もしていない)と仮定、また2021年6月末のビットコイン価格を、30,000ドルと仮定すると、テスラの第2四半期末の減損によるビットコイン関連損失は;
(31,666 – 30,000) x 42,000枚 = 約70百万ドル
と予測できます。

一部ではありますが、1Qに結構高値で売って売却益を出しているので、結果的に2Qの減損額が減っているわけですが・・。
以上、ご参考になれば幸いです。

なお各社の最新のビットコイン保有数量がわかるサイトを、以下にリンクしておきます。
Bitcoin Treasuries
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Bitcoin Treasuries | 59 Biggest Companies Holding (Public/Priv)
BitcoinTreasuries.org is the best place to check public & private companies that own BTC along with countries.