(2021年10月23日追記)
2番目・3番目のビットコイン先物ETFの状況
10月22日にヴァルキリーの「Valkyrie Bitcoin Strategy ETF:BTF)がナスダックにて取引開始されました。また、米国2例目の承認となったヴァンエックの「Bitcoin Strategy ETF:XBTF」は、早ければ25日からシカゴ・オプション取引所(CBOE)が運営するBZX取引所で取引開始予定、となっています。
米国初のビットコイン先物ETF「BITO」が上場
先日の記事で紹介した米国初のビットコイン先物ETF「ProShares Bitcoin Strategy ETF(ティッカー:BITO)」は、予想通り昨日10月19日、NYSEアーカ取引所で取引が始まりましたね。
ETFになったことで、ビットコインが株式同様に手軽に分散投資したり売買できるので、より身近で便利になりますね。
現在ビットコインの現物価格は64,000ドル近辺で推移しています。
今回のビットコインETFのポイントは、対象がビットコインの現物でなく、CME(シカゴマーカンタイル取引所)に上場しているビットコインの先物である、という点です。
この点で、ビットコイン先物ETFは、長期保有よりも短期売買に適していますね。
今後SECは、ビットコイン現物ETFも承認するのか?
では今後、米国SECは、今回のビットコイン先物ETFに続いて、ビットコイン現物ETFを承認していくでしょうか?
ちなみにカナダでは既に、現物のビットコインやイーサリアムのETFが複数承認されています。
ビットコインの先物は、CME(シカゴマーカンタイル取引所)に上場しているために価格や決済など取引全体が規制当局によって適切に管理されており、また流動性も確保されています。よって、そのビットコインの先物を対象とするETFも、(承認作業に年数はかかったものの)SECとしては承認が現実的に可能だった、とみられます。
一方、ビットコインの現物はどうでしょうか?
ビットコインの現物の場合、先物契約固有の追加コストのデメリットは無いですが、適切な価格かどうか(プライシング)という問題、売りたいときにすぐ売れるかという流動性の問題、また最大の問題としてピットコインの現物の保管(カスタディー)の問題があります。
ビットコインの現物ETFをめぐるこれらの多くの要素をすべてクリアして、SECが近い将来にビットコインの現物ETFを承認するかどうかは、現時点では不明とみられます。
ご参考に、上記のビットコイン先物ETF「BITO」の運用会社ProSharesのCEOであるMichael Sapir氏が、バロンズのインタビューに対して、以下の様にコメントしています。
(バロンズのインタビュワー)
Given your experience with this, do you think that there’s going to be a spot Bitcoin ETF available sometime in the next year?あなたの経験を踏まえて、来年のどこかのタイミングで、ビットコイン現物ETFがSECに承認されると思いますか?
(ProShares CEO Michael Sapir氏)
As you know, the SEC has expressed concern on spot Bitcoin ETFs over valuation, liquidity, and custody. And this fund BITO addressed those concerns. If the industry can come up with answers to those concerns that satisfy the regulators, you would think that they could go forward. But this isn’t the first rodeo for trying to get a spot Bitcoin ETF to come to market, and the regulators have consistently had concerns over those. So is it possible? Sure. But I wouldn’t put odds on it. There’s a lot of factors here.ご存知のように、SECは、ビットコイン現物ETFについて、評価、流動性、および保管(カスタディー)の点で懸念を表明しています。そのため、当社(ProShares)のETF「BITO」は、SECのそれらの懸念に対応してビットコイン先物ETFとすることで承認されました。
もし仮想通貨業界が、SECのこれらの懸念に対する解答を備えることができれば、ビットコイン現物ETFに対するSECの承認作業は前進するでしょう。しかし、これはビットコイン現物ETFの最初の申請だけではなく、SECはこれまで一貫してそれらについて懸念を持ち続けています。将来的に承認されることは可能ですか?と聞かれれば、YESでしょう。しかし、YESの確率は分かりません。多くの懸念要素があるからです。(引用元:ProShares CEO Says His Bitcoin ETF Has an ‘Enormous Advantage、バロンズ)
以上ご参考になれば幸いです。