(注)2021年10月20日に追加記事を書いています。追加記事はこちらです。
米国初のビットコイン先物ETFが10月19日にいよいよ上場
米国市場で初のビットコインETF(ビットコイン先物ETF)が、10月19日(来週火曜日)に上場予定、と一斉に報道されていますね。
米国で上場する初のビットコインETFは、ProSharesという資産運用会社の;
ProShares Bitcoin Strategy ETF(ティッカー:BITO)
です。ProShareのSEC書類の閲覧は、こちらです。
同ETFの経費率は、0.95%です。
ProSharesは、昨日金曜日(15日)遅くにBITOについて、SECの承認を得たようです。SECファイリングによると、同社はSECに「発効後(Post Effective)」の登録届出書を提出し、NYSEは上場を承認しました。ファンドは来週火曜日に取引を開始する予定です。
ProSharesや、Invesco、VanEckなどの運用会社は、ビットコインETFの上場に向けて何年も努力してきました。 BITOが予定通りにローンチすれば、他の運用会社のビットコイン先物ETFの上場も期待できそうです。
ビットコイン先物ETFのメリット
ビットコインETFの最大のメリットは、ETFになることでビットコインが株式同様に「より身近になる」「より便利になる」という点です。 ETFは手軽に分散投資したり、取引所でリアルタイムに売買を行うことができます。
ちなみに、ビットコインを大量に保有するマイクロストラテジー株(MSTR)は、これまで(まだ米国で承認されていない)ビットコインETFの代替的な位置づけとして売買されてきた、という見方があります。
またコスト面もメリットです。これまで、先物市場を経由せずに、仮想通貨に直接投資するクローズドエンド型のファンドは既に存在していました(グレースケールやビットワイズ)が、手数料が高い点が敬遠されていました。一方、ProShares ETFの経費率は0.95%なので、2%のGrayscale BitcoinTrustや2.5%のBitwiseIndexファンドよりもコストが低くなります。これらのクローズドエンド型のビットコイン・ファンドの経費率引き下げを促す効果も期待されます。
ビットコイン先物ETFの注意点
このETFはビットコインの先物価格を追跡することを目的としていますが、先物契約固有の問題として、期限切れの契約を継続的に新しい契約にロールオーバーする必要があるため、この関係で投資家にコストが課されます。
先物価格は、一般的に先にいくほど値段が高くなります(先物の期近物の価格は1年後の期先物より通常は低くなります)。この現象を「コンタンゴ」と呼びます。
市場がコンタンゴの状態の場合、新しい契約にロールオーバーする時に、基近物を売り、期先物を買うため、損失を被り、それがETFのコストとなります。ProSharesは、期近物と期先物の価格を管理し、柔軟に長期契約を保持することを計画しています。
さて、本日のビットコインは以下のような状況です(日足)。
先日書いた下の記事(縁起の悪い記事?)もぜひご覧いただければと思います。