はじめに
このシリーズでは、米国の主要な株価指数の中で特に、「ナスダック100株価指数」を取り上げています。4回の記事に分けて、ナスダック100株価指数の概要や構成銘柄、投資・トレードの方法などを紹介しています。
今回は、ナスダック100の「短期トレード」を取りあげます。

ここでいう短期トレードは、1日以内から数日の間にポジションを決済するトレードをいいます。「デイトレード」、または短かめの「スイングトレード」に属します。
ナスダック100株価指数の短期トレードの2つの方法
ナスダック100株価指数を短期トレードする場合、基本的に以下の2つの方法があります。(日本国内に居住している場合を前提にしています。)
- 方法その1:先物取引を使う
- 方法その2:CFD取引を使う
株価指数の先物取引とCFD取引の違いは、以下の通りです。
先物取引 | CFD取引 | |
内容 | 将来の決められた日に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引 | 対象となる資産(原資産)の受け渡しは行わず、売買で発生した損益のみを受け渡すことで完結する取引(FXもCFDの一種です) |
市場取引・相対取引の区分 | 市場取引(たとえば、CME(シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ)の日経225先物、S&P500先物、ナスダック100先物など) | 証券会社との相対取引(店頭CFD) ただし「クリック株365」は取引所CFDです。 |
期限(現月)の有無 | 期限(現月)がある | 原資産が直物の株価指数のCFDの場合、期限(現月)が無い 原資産が先物の株価指数のCFDの場合、期限(現月)がある |
買い・売り | 買い・売りのどちらからでもエントリーできる | 買い・売りのどちらからでもエントリーできる |
取引単位 必要証拠金※ | 大きい | 小さい |
レバレッジ | 先物の方がCFDより一般的にレバレッジが大きい | ただし、海外の証券会社のCFDはレバレッジが大きい |
どこを使うか | 日本国内の証券会社 | 日本国内の証券会社 海外の証券会社 |
手軽さ | 手軽ではなく、敷居が高い | 手軽で簡単に始められる |
※米国株価指数の先物の取引単位・必要証拠金の例は、以下の通りです。
E-mini S&P500(S&P500株価指数の先物)のケース
取引単位は50米ドル倍です(たとえば、S&P500指数が3,600の場合、3,600 x 50 = 180,000ドル(約1,870万円)です。レバレッジが20倍の場合は、93.5万円の証拠金が最低でも必要です。
E-mini NASDAQ-100(ナスダック100株価指数の先物)のケース
取引単位は20米ドル倍です(たとえば、ナスダック100指数が12,400の場合、12,400 x 20 = 248,000ドル(約2,580万円)です。レバレッジが20倍の場合は、129万円の証拠金が最低でも必要です。

結論として、株価指数の先物は敷居が高く、熟練者やプロが対象です(証券会社で口座を開設するだけでも面倒です)。一方、株価指数CFDは初心者でも気軽に始めることができます。
しがって、ナスダック100株価指数をトレードする方法として、以降はCFD取引を前提として、説明をすすめます。
ナスダック100株価指数CFDによる短期トレード
ナスダック株価指数をCFDによって短期トレードする場合は、ここからはもうFXの説明と同じです。(そもそもFXもCFDの一種です。)
FXでは、国内の業者を使う場合と、海外の業者を使う場合では;
- レバレッジ規制の有無(規制によって、国内FXの方がレバレッジが低い)
- 日本の金融庁の監督の有無(国内FX業者は金融庁の規制監督下である点で、ユーザーは安全)
- 税金の取り扱いの違い(国内FXは申告分離課税なので有利、一方海外FXは総合課税なので不利)
などの違いがありますが、株価指数CFDでも、まったく同じです。
CFDでも、国内業者を使うことで十分です。
リスク管理に習熟した上で自己責任で高いレバレッジでトレードしたければ、海外業者を使う方がいますし、トレードで節税の必要があるほど大きい資金を使う場合は、国内業者に戻ったり法人化したりします。
当サイトでは、CFDにおいても、国内業者を推奨します。
ナスダック株価指数100のCFDをトレードできる国内の業者
株価指数のCFDを取り扱う国内のFX業者は限られています。

日本ではFX(通貨のCFD)だけが先に普及したため、株価指数のCFDはこれから普及していくと思います。
備考:「クリック株365」は、ダウ平均のCFDはあるのですが、ナスダック100のCFDがないので、上の表からは除外しました。
ナスダック株価指数100のCFDをトレードできる海外の業者
海外では、大手のFX業者であればどの業者でも、通貨のCFD(=FX)だけでなく、株価指数のCFDも、取り扱い品目の中にもともと含まれています。

海外の大手FX業者の典型的なCFD取り扱い品目は、通貨・株価指数・商品(金や原油など)などです。最近は、仮想通貨や個別株のCFDなども取り扱い品目として増えてきています。
日本国内のユーザーが多く、また信頼性の高い大手の海外FX業者の例としては、XM、Axiory、Titan、HotForexなどがあります。