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ランキングと個別銘柄チャートの最終更新日は、2022年12月25日です。
コラム

米国の製薬大手9社の徹底比較(PFE/MRK/ABBV/JNJ/BMY/LLY/GILD/AMGN/MRNA)

はじめに

来年2023年は世界的なリセッションになるとの予測が多いですね。
そこで今回の記事では、不況に強いディフェンシブ株の代表格である製薬セクターの、米国の大手企業9社を徹底比較しておきたいと思います。

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米国の製薬大手9社の概要

ティッカー企業名Web解説
PFEPfizer Inc.

会社HP
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1849年チャールズ・ファイザー・アンド・カンパニーとして創業、ペニシリンの量産に成功し、1950年代には海外進出、1970年現社名に変更。循環器系、神経系、鎮痛・抗炎症系など幅広い分野での新薬開発を展開、M&Aを展開し、2003年にファルマシアを、2009年にはワイスを買収。有力な新薬を会社ごと買収して収益を上げる手法は「ファイザーモデル」と呼ばれ、1990年代から進んだ製薬業界再編の旗頭となりました。2004年にダウ平均構成銘柄に選出、2020年に除外。
現在の主力製品は、肺炎球菌ワクチン「プレベナー13」、乳がん治療薬「イブランス」、経口凝固薬「エリキュース」など。
MRKMerck & Co. Inc.会社HP
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1827年にドイツで創業されたメルク社(Merck KGaA)の米国拠点として、1891年に設立。第1次大戦後、独メルクの米国事業をすべて接収し完全独立。
1990年代までは売上高世界トップ、2000年代にM&Aによる業界再編で数社に抜かれましたが、2009年に米シェリング・プラウを買収、ファイザーに次ぐ売上高世界2位に復帰。現在もダウ平均構成銘柄。
現在の主力製品は、急成長中のがん免疫治療薬「キートルーダ」、糖尿病治療薬「ジャヌビア」「ジャヌメット」、子宮頸がんワクチン「ガーダシル」など。
ABBVAbbVie Inc.会社HP
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2012年にアボット・ラボラトリーズからスピンオフして設立。
最主力薬は、関節リューマチや乾癬、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患(クローン病)などを治療する抗TNFα抗体(自己免疫疾患治療薬)「ヒュミラ」(2021年まで6年連続で製品別売上高世界一)。
「ヒュミラ」は同社の売上高の6割を占めており、特許切れによる収益の崖が2023年に迫る中、2020年に美容医療に強みをもつアイルランドのアラガンを買収しました。
JNJJohnson & Johnson会社HP
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1887年創業。現在の事業セグメント(2021年度売上割合)は、コンシューマーヘルス(15%)、製薬(55%)、医療機器(30%)の3事業で展開するトータルヘルスケア企業。
主力薬は、関節リウマチ治療薬「レミケード」、乾癬治療薬「ステラーラ」、前立腺がん治療薬「ザイティガ」など
他の事業部門では、絆創膏「バンドエイド」、ベビーオイル、洗口液「リステリン」、「アキュビュー」コンタクトレンズなどが有名。
60年連続増配の「配当王」銘柄。
BMYBristol-Myers Squibb Company会社HP
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1887年にブリストル・マイヤーズ創業、1989年にスクイブと合併、さらに2019年にセルジーンを買収。
主力薬は、抗がん剤「レブラミド(レナリドミド)」、免疫治療薬「オプジーボ」、血液凝固阻止薬「エリキュース」など。
LLYEli Lilly and Company会社HP
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1876年にイーライリリー大佐により設立、創業当初より研究開発を重視。
1923年、世界で初めてインスリン製剤の実用化に成功。2021年、米食品医薬品局(FDA)が同社のアルツハイマー治験薬「ドナネマブ」を画期的治療薬(ブレークスルー・セラピー)に指定されました。
GILDGilead Sciences Inc.会社HP
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1987年創業、世界第2位のバイオ製薬会社。HIV・エイズやB型・C型肝炎ウイルスなどの感染症治療・予防薬を得意としており、主力薬は、抗HIV薬「ゲンボイヤ」「ツルバダ」、抗インフルエンザ薬「タミフル(スイス・ロシュ社にライセンス供与)」など。
AMGNAmgen Inc.会社HP
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1980年創業のバイオベンチャーの草分け、世界最大のバイオ製薬会社。主力薬は、関節リウマチ治療薬「エンブレル(エタネルセプト)」、骨粗しょう症治療薬「プロリア」「Xgeva」、乾癬治療薬「オテズラ」など。
MRNAModerna, Inc.会社HP
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2010年創業のバイオ製薬企業。新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンをいち早く実用化し、一躍世界有数の製薬企業となりました。
2022年8月時点で46の開発プログラムが進行中であり、2023年に季節性インフルエンザワクチンの承認取得を目指しており、また新型コロナと季節性インフルエンザの混合ワクチンも2024年の承認取得を目指しています。

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米国の製薬大手9社の株価パフォーマンス

2020年年初~

米国の製薬大手9社の株価を、まずコロナ直前の2020年年初来で相対比較してみます。

モデルナの株価の変動が大きすぎて、他の8社の株価推移がほとんど見えませんね(笑)

2020年年初~(MRNAを除く)

モデルナの変動が大きすぎるので、モデルナを除く8社を対象に、同じく2020年年初から相対比較したものが、以下のチャートです。

モデルナを除くと、アルツハイマー治験薬などが好感されているイーライ・リリーのパフォーマンスが頭抜けていることがわかります。

2022年年初~

今年2022年年初から相対比較すると、以下の通りとなります。

今年2022年年初からの相対比較では、米国株全体が大きく下落するなか、ファイザーとモデルナをのぞく7社は年初来プラスで推移していることが分かりますね。

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米国の製薬大手9社の財務指標・株式指標

同9社の財務指標・株式指標の一覧は、以下の通りです。左から、2021年の収益(売上高)の大きい順に並んでいます。(JNJの※の数値は、3事業セグメントのうちの製薬セグメントの値です。)
収益等のデータ元は、Yahoo Financeです(データ基準日は、2022年11月18日)

ティッカーPFEMRKABBVJNJBMYLLYGILDAMGNMRNA
時価総額271.29259.4274.08457.17164.67343.65104.88153.2969.76
収益99.8858.9757.8296.04
※52.08
46.7429.2427.1426.3321.39
EBITDA44.724.0729.432.0520.7310.3812.7813.4313.6
研究開発費13.8312.247.0814.71
※11.88
14.717.035.364.821.99
研究開発費売上高比率13.820.812.228.231.524.019.718.39.3
プロフィットマージン29.8125.8823.1919.9514.2920.6312.2925.9655
オペレーティングマージン39.934.5136.512621.9530.0539.338.8561.94
ROA13.312.689.098.816.1311.4810.289.9335.25
ROE35.5138.1490.6526.4519.1166.5915.56115.1683.69
DE レシオ39.8368.32436.7642.93122.72157.8119.781059.517.01
営業キャッシュフロー26.619.722.5921.5813.827.669.719.886.63
キャッシュフロー・マージン26.6333.4139.0722.4729.5726.235.7837.5231
予想PER9.6613.5513.6616.789.7339.0612.6915.6728.25
PSR2.784.476.244.863.611.233.895.973.71
PBR2.935.8317.146.135.0434.134.9841.963.88
ベータ値0.640.390.660.570.390.360.440.641.73
実績年間配当利回り
2022-11-18
3.292.663.712.52.81.053.472.640
連続増配年数12121160169711
5年平均配当利回り3.6734.622.663.021.773.952.9
配当成長率 (1年)2.596.168.865.8-32.7815.23.2110.18
配当成長率 (3年)3.857.869.875.79-0.2114.925.6410.17
配当成長率 (5年)4.777.9917.315.960.8912.867.411.25
配当成長率 (10年)6.345.096.381.846.8218.75
株価 2022-11-1848.23104.60154.89176.5077.45362.3583.50287.00181.22
移動平均乖離率(50日)6.3312.066.935.165.757.918.3613.8828.84
移動平均乖離率(250日)-1.8718.734.432.515.6818.4230.5117.4421.68

2022年11月18日時点

  • 時価総額が最も大きい銘柄は、(製薬以外の事業セグメントを有するJNJを除いて)LLY、続いてABBVです。
  • 研究開発費売上高比率が最大の銘柄はBMY、続いてJNJ(製薬部門)です。
  • プロフィットマージン・およびオペレーティングマージンが最大の銘柄はダントツでMRNA、続いてPFEです。
  • ROEが最大の銘柄はAMGN、続いてABBVです。
  • DEレシオが最大の銘柄はAMGN、最小はMRNAです。
  • キャッシュフロー・マージンが最大の銘柄はABBV、続いてAMGNです。
  • 予想PERが最大の銘柄はLLY、最小はPFEです。
  • ベータ値が最大の銘柄はダントツでMRNA、それ以外の銘柄は全てベータ値が1以下です。最小はLLY、次に小さいのはMRKとBMYです。
  • 実績年間配当利回りが最大の銘柄はABBVです。5年間の平均配当利回りでも最大はABBVです。
  • 連続増配年数が最大の銘柄はダントツでJNJです。ただしMRNAを除く他のすべての銘柄も7~16年の連続増配です。
  • 配当成長率(1年・3年・5年)が最大の銘柄は、LLYです。

以上、ご参考になれば幸いです。

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