プット・コール・レシオ(PCR)とは
プット・コール・レシオ(Put/Call Ratio:PCR)とは、オプション市場で取引されるプットオプションの建玉残高(未決済残高)をコールオプションの建玉残高で割って求められる指標です。
強気な投資家が増えるとコールオプションの建玉が増えるため、PCRは低下します。逆に、弱気な投資家が増えるとプットオプションの建玉が増え、PCRは上昇します。
つまりPCRは相場の過熱感をみることができるほか、以下のような特徴があります。
【プット・コール・レシオ(PCR)の特徴】
- 相場の高値圏では、強気の投資家が増えて、PCRが低くなる傾向があります。
- 相場の底値圏では、弱気の投資家が増えて、PCRが急上昇し、鋭いピークを形成する傾向があります。
- 相場の転換点は、PCRの上昇・下落が転換すると、相場の転換点が近いとされます。
米国市場のプット・コール・レシオの種類
日本では日経平均株価指数を対象としたオプションのプット・コール・レシオがよく使われます。
一方米国では、米国最大のオプション取引所であるCBOE(シカゴ・オプション取引所)において、株価指数、ETF、VIX指数、個別株を対象に様々なオプションが上場されており、アイテムごとに以下のようにプット・コール・レシオが毎日算出されています。
【CBOEのプット・コール・レシオの種類】
- TOTAL PUT/CALL RATIO: CBOEで取り扱う全てのオプションのプット・コール・レシオ
- INDEX PUT/CALL RATIO: 株価指数オプションのプット・コール・レシオ
- EXCHANGE TRADED PRODUCTS PUT/CALL RATIO: ETFオプションのプット・コール・レシオ
- EQUITY PUT/CALL RATIO: 個別株オプションのプット・コール・レシオ
- CBOE VOLATILITY INDEX (VIX) PUT/CALL RATIO: VIX指数オプションのプット・コール・レシオ
- SPX + SPXW PUT/CALL RATIO:S&P500株価指数オプションのプット・コール・レシオ
- OEX PUT/CALL RATIO:S&P100株価指数オプションのプット・コール・レシオ
- MRUT PUT/CALL RATIO: ミニ・ラッセル2000株価指数オプションのプット・コール・レシオ
※SPXとSPXWは共にS&P500株価指数のオプションですが、決済期限に違いがあります。
まずは「TOTAL」が総合的なPCRとして有用です。ただし「INDEX」のPCRには機関投資家のヘッジ目的のオプション利用が含まれていますので、純粋に投機目的のオプションの状況をみるには「EQUITY」のPCRが使われたりします。
プット・コール・レシオ(PCR)を米国株投資に活用しよう
以下のTradingViewチャートは、S&P500株価指数CFDと、「Put Call Ratio」インジケータ(上記CBOEのTOTALのPCR)を並べて表示させたものです。
ぱっと見て、「逆張り」的な使い方が機能しそうですが、PCRの上昇・下落が明確に転換した後でエントリーする「順張り」的な使い方も機能しそうです。ぜひご自身で検証してみてください。
ご参考になれば幸いです。