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コラム

米国の取引所(金融商品・コモディティ取引所):業界再編の歴史と上場品目をおさえておこう

米国の取引所の上場会社は、業界再編で4社に絞られている

今回の記事では、米国の取引所(金融商品・コモディティ取引所)銘柄をまとめておきたいと思います。

現在、上場している米国の取引所運営企業は、以下の4社です。

CMEとICEの2つは、業界再編の大型M&Aを経て、巨大な総合取引所となっています。一方ナスダックとCBOEは、独自の路線で生き残っています。
業界再編の歴史と、それぞれの会社でどのような上場品目があるかについて、注目してみていきましょう。

ティッカー社名時価総額 ※予想PER ※営業利益率 ※ROE ※
CMECME Group Inc.866億ドル33.456.49.8
ICEIntercontinental Exchange, Inc.707億ドル17.649.619.2
NDAQNasdaq, Inc.288億ドル25.127.518.4
CBOECboe Global Markets, Inc.128億ドル24.423.515.2

※2022年2月13日現在
CMEはナスダック、ICEはNYSE、NDAQはナスダック、CBOEはBATS(後述のCBOEの章ご参照)に上場しています。以上4社はすべて、S&P500の構成銘柄です。

以下は、2017年からの約5年間の株価パフォーマンスを相対比較したものです。
赤がCME、青がICE、緑がナスダック、オレンジがCBOEです。(クリックで拡大できます。)

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取引所の業界再編

取引所業界は、2000年代に入って、市場経済のグローバル化と24時間注文・執行が可能な電子取引システムの急速な進展を背景に、世界的な業界再編が進展しました。

CMEは、

  • 2006年に、老舗のCBOTを買収して世界最大の先物取引所が誕生
  • 2008年に、世界最大のエネルギー取引所のNYMEXを買収

一方ICEは、

  • 2013年に、NYSEユーロネクストを買収(NYSEユーロネクストは、2006年にNYSEとユーロネクストが合併した会社です)
  • 2014年に、ユーロネクストをスピンオフ

これらのM&Aを経て、CMEとICEは、金融商品・コモディティを扱う総合取引所に成長しています。

なぜシカゴが先物取引で発展してきたか?
CMEと、(CMEと合併した)CBOTは、同じシカゴを拠点とする先物取引所です。
シカゴが先物取引の中心地として歴史が長いのは、シカゴ周辺の米国中西部がコーン・大豆畑が延々と続く米国の典型的な農村地帯であるために、シカゴが農産物・家畜の大集積地として発展してきたことと関係があります。

現物株は儲からない?
現在の取引所ビジネスは情報システム産業といえます。2000年代に入り、巨額のシステム開発費の負担を減らして資金調達の方法を広げるために、M&Aによる再編と株式会社化の流れが不可避となりました。
ここでのポイントは、上場審査などに人件費がかかる現物株を取り扱うよりも、よりシステム依存度が高いデリバティブを扱うほうが収益性が高い、という点です。ICEが、NYSEユーロネクストを買収した後に、ユーロネクストをスピンオフしたのは、ユーロネクストが取扱品目の中で現物株比率が高いことが関係しています。

それでは次章で、4社を個別にみていきましょう。

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CME:CME Group Inc.

CMEグループ Webサイト
Yahoo Finance

CME(Chicago Mercantile Exchange:シカゴ・マーカンタイル取引所)は、1898年に、地方の小さな先物取引所であるシカゴ・バター・卵取引所(Chicago Butter and Egg Board)としてスタートしました。その後、商品から通貨先物・金利先物などに次々と進出、電子取引システム「GLOBEX(グローベックス)※」を基に、世界有数のデリバティブ取引所に発展を遂げました。

CMEグループとしての歴史の中で最大のM&Aは、前章で紹介したCBOTの買収です。 CBOTは1848年設立、米国で最も歴史が古い商品取引所で、デリバティブのルーツとされるコーン(トウモロコシ)、小麦、大豆などの穀物先物を主力として、長い間世界トップの先物取引所として君臨してきました。CMEはそのCBOTを買収することで、世界最大の先物取引所となりました。続いてCMEは2008年に、世界最大のエネルギー取引所のNYMEXを買収、同時NYMEX傘下のCOMEX(ニューヨーク商品取引所)もCMEグループ傘下となりました。

現在のCMEグループは、以下4つの主要取引所で構成されています。

  • CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)
  • CBOT(シカゴ商品取引所)
  • NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)
  • COMEX(ニューヨーク商品取引所)

※GLOBEX(グローベックス)
GLOBEXとは、CMEグループが運営する金融先物・オプションの24時間電子取引システムです。世界中の取引所をつなぎ、株価指数や金利・債券、通貨、エネルギー、農産物などの金融商品の取引が終日可能となっています。

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CME(Chicago Mercantile Exchange:シカゴマーカンタイル取引所)

CMEは、1898年にシカゴ・バター・卵取引所(英: Chicago Butter and Egg Board)としてCBOT(シカゴ商品取引所)から独立し、1919年にCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に改組しました。 

CMEの金融先物取引は、1972年の外国通貨の先物取引でスタートし、その後の金融先物取引の世界的な発展の基礎を築きました。CMEはその後、金利・株価指数・為替をはじめとしたデリバティブ商品の上場に積極的に取り組み、現在ではその取引量は世界最大規模となっています。日経平均株価指数の先物も取り扱っており、日本国内の投資家の注目度も高く、また2021年からは日本の電力も取り扱っています。

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CBOT(Chicago Board of Trade:シカゴ商品取引所)

CBOTはCMEグループの主要取引所のひとつで、1848年に設立された米国で最も歴史が古い商品取引所です。
上述の通り、CBOTは2006年に、CMEグループの傘下となっています。

CBOTの上場品目は、とうもろこし・ミニとうもろこし・大豆・ミニ大豆・小麦・ミニ小麦・大豆粕・大豆油など穀物の先物取引で多岐にわたっています。

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NYMEX(New York Mercantile Exchange:ニューヨーク・マーカンタイル取引所)

NYMEXは、世界最大のエネルギー先物の取引所で、原油の世界的な指標の一つである「WTI原油先物」が代表的な商品として知られています。

1994年にNYMEXは、COMEX(後述)と合併、2006年に親会社のNYMEX HoldingsはNYSEに上場しました。その後、前述の通り、2008年にNYMEX Holdingsが、上述のCMEグループに買収されて上場廃止となり、以降CMEグループの傘下となりました。

NYMEXの上場品目は、以下の通り多岐にわたります。

  • エネルギー:原油、天然ガス、石炭、石油精製製品、石油化学製品、航空燃料、バイオ燃料、電力、排出量
  • 金属:パラジウム、鉄鉱石、鉄スクラップ
  • 農産物:ココア、コーヒー、綿

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COMEX(New York Commodity Exchange:ニューヨーク商品取引所)

COMEXは、金・マイクロ金・ミニ金・銀・ミニ銀・銅・ミニ銅など、金属の先物取引を行う取引所で、特に金先物が代表的な商品として知られています。前述の通り、1994年にNYMEXとの合併に伴い(存続会社はNYMEX)、NYMEXの一部門となり、その後、2008年にNYMEXがCME Groupに買収されました。

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ICE:Intercontinental Exchange

ICE Webサイト
Yahoo Finance

ICE(Intercontinental Exchange:インターコンチネンタル取引所)は、2000年に設立された新興企業で、ジョージア州アトランタに本社を置いています。ICEの母体は、コンチネンタル電力取引所と呼ばれるエネルギーの相対市場でした。

  • 2001年に英国の老舗で北海ブレント原油先物を扱うIPE(ロンドン国際石油取引所:現ICEフューチャーズ)を買収、
  • 2007年に、コーヒー・砂糖・綿花で世界最大の先物取引所であったNYBOT(ニューヨーク商品取引所)を買収
  • 2013年に、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の親会社であるNYSEユーロネクストを買収
  • 2014年に、ユーロネクストをスピンオフ(2002年にユーロネクスト傘下となったロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)は、このスピンオフの際にICE Futures EuropeとしてICE傘下に残りました。)

以上の再編を経て、現在のICEは、NYSE(ニューヨーク証券取引所)、ICE Futures U.S.、ICE Futures Europe、ICE Futures Canadaなどの取引所を傘下に持ち、上場品目は、ブレント原油・軽油・暖房油・RBOBガソリン・WTI原油・低硫黄軽油・ココア・コーヒー・綿花・オレンジジュース・砂糖など多岐にわたります。

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NADQ:Nasdaq, Inc.(ナスダック)

ナスダック Webサイト
Yahoo Finance

NASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotations:ナスダック)は、1971年に全米証券業協会(NASD)の主催で世界初の電子株式取引所として1971年に設立された証券取引所です。

ナスダックの運営企業であるNasdaq、Inc. は、上記ナスダック証券取引所を含めて米国で3つの証券取引所(他2社はフィラデルフィア証券取引所:PXLX、ボストン証券取引所:BX)と、7つのヨーロッパの証券取引所(Nasdaq Copenhagen, Nasdaq Helsinki, Nasdaq Iceland, Nasdaq Riga, Nasdaq Stockholm, Nasdaq Tallinn, and Nasdaq Vilnius)を運営しています。

ナスダックは近年は生き残りに向け事業の多角化を進めており、証券取引による収入以外に企業への技術やデータ提供などでの収益確保を目指しています。

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CBOE:Cboe Global Markets, Inc.


CBOE Webサイト
Yahoo Finance

CBOE(Chicago Board Options Exchange:シカゴ・オプション取引所)は、個別銘柄株や株価指数などの様々なオプション商品を上場品目とする、米国最大の株式オプション取引所です。CBOEは、1973年にCBOT(上述)によって設立され、その後CBOTから独立し、2010年に同取引所の親会社であるCBOEホールディングズはNASDAQに上場しました。

2017年にCBOEホールディングズは、米国と欧州の証券取引所や外為プラットフォームを運営する「バッツ・グローバルマーケッツ(BATS Global Markets)」を買収したのに伴い、同社は「Cboe・グローバル・マーケッツ(Cboe Global Markets)」に社名変更し、また2018年に、同社の上場市場を自社傘下の「Cboe BZX」に変更しています。なおBATSは、買収時点で、NYSEとナスダックに次ぐ、米国3位の取引所でした。

Cboe Global Marketsは、現在、以下のような取引所を運営しています。

・Cboe U.S. Options
・Cboe U.S. Equities
・Cboe European Equities
・Cboe Futures Exchange
・Cboe FX

なお、Cboe U.S. Optionsにおいて、CBOEが考案した世界的に有名な指数に、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出し、米国株式市場に対する投資家の恐怖心を反映すると言われる「CBOE VOLATILITY INDEX(VIX指数)」があります

2021年8月、英紙フィナンシャル・タイムズが、「CMEグループが、CBOEを運営するCBOEグローバル・マーケッツに全額株式交換による買収を提案した」と報道しましたが、その後CMEグループは、この報道を否定しています。

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