雇用統計とは?
雇用統計は、米国労働省の労働統計局(US Deparment of Labor, Bureau of Labor Statistics:http://www.bls.gov/)が毎月発表する、米国の雇用情勢に関する経済指標です。
発表時間は、毎月第1金曜日のNY時間午前8時30分です。
日本時間では;
21時30分:米国夏時間(3月第2日曜~11月第1日曜)
22時30分:米国冬時間
となります。
雇用統計は;
- FRBの目標の一つが最大雇用であるため、米国の金融政策に重要な影響を与えること
- タイミングが早いこと(前月分を翌月の第一金曜日に発表)
- 予測の正確性が低いため、サプライズがおきやすいこと
などから、世界の経済指標の中で最も注目される経済指標です。
★米国企業は景気が後退してくると迅速に雇用を削減する傾向にあることも、雇用統計が景気先行指標として重要視される背景にありますね。
※米国の中央銀行に相当するFRB(Federal Reserve Board:連邦準備制度理事会:http://www.federalreserve.gov/)の目標の一つが「最大雇用(maximum employment」であり、雇用統計の結果は金融政策に重要な影響を与えます。(FRBの金融政策の目標は、最大雇用、物価の安定(stable prices)、および節度のある長期金利(moderate long-term interest rates)とされています。大統領に対して、政府機関中最も強い独立性を有する一方で、世界経済に対する影響力は絶大です。
外国為替市場や株式市場などのマーケットは、通常、雇用統計の発表の前後で大きく動きます。また、本統計の中でも「非農業部門雇用者数(NFP: NonFarm Payrolls)」と「失業率(Unemployment Rate)」の2つの項目が特に注目されます。
非農業部門雇用者数:全米約44万の事業所調査(企業の給与支払い帳簿)を、基にしています。10万人以上の増加であれば、労働市場は改善方向にあるとされます。
失業率:約6万世帯の家計の聞き取り調査を基にしています。FRBは2012年12月、「失業率6.5%以下」を利上げ開始の最低条件と決定しています。
(参考)2013年2月の雇用統計
- 非農業部門雇用者数:236千人増加
- 失業率:7.7%
FOMC(Federal Reserve Open Market Committee:連邦公開市場委員会)
FOMCは、FRBが定期的に開く会合で米国の金融政策の最高意思決定機関です。6週間ごと火曜日、年に8回開催。終了後に議長の記者会見、声明文が公表されます。FRB(連邦準備制度理事会)の理事7名と、5名のNY連銀を含む地区連銀総裁(NY連銀総裁と、残り11の地区連銀総裁から4人が輪番)で構成され、議長はFRB議長、副議長はNY連銀総裁が担当します。(日銀の金融政策決定会合に相当)
FOMCでは短期金利の指標であるFFレートの誘導目標が決まるものの、多くの場合、結果は事前に予想されており織り込み済みの状態です。むしろFOMC後に発表される声明文の内容に注目が集まります。声明文の文言により、次回も利上げがされるかどうかを市場は判断します。
FOMCの2週間前には、12の地区連銀から「ベージュブック」と呼ばれる経済報告が発表され、直近の経済動向の変化を知ることができます。