はじめに
波乱相場の9月が終わりましたね。S&P500の月足チャートは、昨年3月以来の長い陰線で終わりました。
米国株が足元で調整している要因としては、月末のリバランス調整、米連邦債務の上限問題、金利上昇、中国恒大集団の問題、米国のまちまちの経済指標など、様々なものがあげられそうですがもう一点、現在は「水星の逆行」の期間中であることをご存じでしょうか?
水星の逆行(Mercury retrograde)とは?
「水星の逆行(Mercury retrograde)」とは、水星(太陽系の一番太陽に近い惑星ですね)が、本当は順行しているものの、地球から見ると見かけ上で逆行して見える状況をいいます。

「惑星」は、「惑わす星」という意味だそうです。
水星の逆行は、1年間に約3回、約3週間にわたって発生します。今年2021年の3回目の逆行は、9月27日から10月19日まで起こります。つまり現在(本日は10月1日)は、水星の逆行が始まったところです。
実は、昨年のコロナショックの急落時も水星の逆行と重なり、またリーマンショック時には、前年の2007年の最初の急落時も、2番底に向かう急落のタイミングも、リーマン・ブラザーズ破たん後に下落し始めたのも水星の逆行の期間でした。
また、ヘッジファンドは水星の逆行時に意図して仕掛けているという説もあります。(明確な根拠がない市場の噂です。事実かどうかはわかりません。)
私が愛読している江守哲さんの今朝のメルマガでは、以下の様に分析されています。
繰り返すように、10月19日の水星逆行の最終日までは、金融市場は不安定であろう。15日と18日は米国株の重要日である。このあたりが底値になるのではないかと考えている。
いまの市場は金利がメインテーマになっている。市場は19日まで不安定な動きが続くことを前提に見ておく。そうしておけば、慌てる必要もない。中国恒大集団の問題がくすぶり、米債務上限問題もまだ解決していない。これらも懸念材料である。しかし、このような懸念材料を嫌気して売りが出て株価が下げる時が、長期投資の好機になる。
水星は人の営みにとって大事な要素である「コミュニケーション」をつかさどる天体で、水星の逆行期間は、ミスコミュニケーションが発生しやすい期間とされています。コミュニケーションエラーは、大きなトラブルのきっかけになる可能性があり、金融市場だけでなく、生活のさまざまなところに影響を与えるといわれています。

大きな契約の締結などは、水星の逆行期間は控えておいた方が無難かもしれませんね。

市場のアノマリーは、市場参加者が意識すればするほど、その通りに見えます。アノマリーに振り回される必要はないですが、慎重になるという意味では役に立つかもしれません。