世界最大のデジタル銀行「Nubank(ヌーバンク)」とは?
ブラジルのデジタルバンク「Nubank(ヌーバンク)」は、ラテンアメリカ最大のフィンテック企業の一つです。
2021年12月にNYSEに上場したばかりで、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが出資していることで知られています。
- 2012年設立、本社はブラジル・サンパウロ、年会費なしのクレジットカード提供から事業を開始
- 創設者は、コロンビア人でスタンドフォード大学出身のダビド・ベレス(David Vélez)氏
- 2017年10月に、ヌーコンタ(NuConta)と称する金融取引口座の取扱いを開始
- ラテンアメリカの銀行セクターは長い間、競争の欠如による非効率な銀行システムに直面してきたため、フィンテック企業にとってチャンスであるとされています。ブラジル、メキシコ、コロンビアのそれぞれで最大の5つの銀行が、すべてのローン、預金、および銀行全体の収益の70%から85%を管理しています。
- ラテンアメリカの総人口は、6億5200万人(2020年12月31日現在)、そのうち銀行を利用できない人々は2億5000万人以上いるとみられています。「彼らはまさにマットレスの下に現金を置いている。(ベレス氏)」
- 2021年6月、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが5億ドル出資、他にセコイアキャピタルやテンセントなどからも資金調達
- 2021年12月9日にニューヨーク証券取引所に上場。IPO価格は9ドル
Nubankの概要を知るためには、下のYouTube動画を見るのが早いと思います。(字幕付きです。)
Nubankの直近の決算の状況
Nubankの直近の決算の状況は、以下の通りです。
- 2021年第4四半期(10~12月)の売上高は、前年同期比3.1倍の6.35億ドル。市場予想を1.5億ドル上回りました。
- 2021年12期の売上高は、16.98億ドルで、18年12月期の3.18億ドルから4年で5倍以上成長しています。
- 2021年12月期の当期利益は、1.6億ドルの赤字。黒字転換するのは23年12月期の見込みです。
2021年12月年度・2021年第4半期(2021年10~12月)の業績
以下は、NUの上場申請書類の中で記載された、TAM(Total Accessible Market:獲得可能な最大の市場規模)のグラフです。(単位は10億ドル、CAGRは年平均成長率です。)
現在の株価は、IPO後の過熱から落ちついていますが、それでも4月2日現在で、本源的価値から試算して約25%のOvervaluation(割高)とみる分析があります(参考記事)。
バフェット銘柄でもありますし、今後の4半期ごとの決算は常に注目しておくべき銘柄と考えます。
以上、ご参考になれば幸いです。