(1)バークシャー・ハサウェイ保有銘柄リスト(最新四半期)
(2)バークシャー・ハサウェイの損益構造(事業損益と投資損益の全体をみてみよう)
(3)バークシャー・ハサウェイ傘下の主要な事業会社
(4)バークシャー・ハサウェイの事業モデルを見える化して比較してみました
(5)バフェット氏、石油株を猛烈に買い増し
(6)バフェット探求:バフェット氏が株主価値を上げるためにとる「3つの方法」
(7)バフェット氏は、なぜHP(ヒューレット・パッカード)株を大量取得したのか?
(8)バークシャー・ハサウェイ 2022年1Qの保有株増減まとめ(FORM-13F分析)
(9)バークシャー・ハサウェイ 2022年3Qの保有株増減まとめ(FORM-13F分析)
はじめに
この記事は、「ウォーレン・バフェット 氏(バークシャー・ハサウェイ)特集」の一環で書いています。
今回は、バークシャー・ハサウェイの傘下の主要な事業会社を見てみたいと思います。
子会社の数が多すぎて全部おさえる必要はないので、保険事業をはじめ、主要な事業の子会社を知っておくと良いと思います。
データ元は、前回記事と同様に、同社のSECファイリングの「FORM-10K」を主に参考にしています。
(同様に、「FORM-10Q」は、日本の「四半期報告書」に相当するものです。)
バークシャー・ハサウェイ傘下の主要な事業会社一覧
保険事業
バークシャー・ハサウェイ傘下の最も重要な事業は、保険事業です。
以下のチャートは、保険事業の売上高の内訳別の推移を示したものです。(データ元は、FORM-10Kです。)
保険事業の売上の約半分はGEICO(自動車保険)で、次に大きいものは再保険です。
次に以下のチャートは、保険事業の営業利益の内訳別の推移を示したものです。
保険事業の営業利益では、投資損益が最も大きく、次がGEICO(自動車保険)で、再保険は3年続けて赤字であることがわかります。
※
ここでいう「投資損益」は、バークシャー・ハサウェイが行う投資ではなく、保険事業の枠内で資金運用しているものです。
GEICO(ガイコ)
バークシャー・ハサウェイの保険事業において最も重要な子会社は、GEICO(ガイコ)です。メリーランド州チェビーチェースに本社を置くGEICOは、全米で自動車保険をはじめとする損害保険を提供する会社で、1996年にバークシャー・ハサウェイが買収しています。
ガイコのWebサイトはこちらです。
このキャラクターの名前は、「Gecko」(トッケイヤモリ)です。
下図は、GEICOの損害保険のラインアップです。自動車だけでなく幅広いアイテムを扱っています。
(クリックで拡大できます。)
ジェネラル・リー(Gen Re)
ジェネラル・リー(Gen Re:ジェネラル再保険)は、コネチカット州スタンフォードとドイツのケルンに拠点を置く、再保険事業世界最大手の会社で、1998年にバークシャー・ハサウェイが買収しています。
ジェネラル・リーのWebサイトはこちらです。
鉄道事業
BNSF Railway
テキサス州フォートワースに本社を置くBNSF鉄道(BNSF Railway:旧社名はバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)は、北米においてユニオン・パシフィック鉄道(UNP)とともに最大の鉄道路線網を持つ、米国第2位の鉄道会社です。2005年に旧社名からBNSF鉄道に社名変更、2009年にバークシャー・ハサウェイの傘下になっています。
BNSF鉄道のWebサイトはこちらです。
BNSFの路線図(画像元:BNSF Webサイト)
クリックで拡大できます。
エネルギー事業
バークシャー・ハサウェイ・エナジー
バークシャー・ハサウェイ・エナジー(旧社名:ミッドアメリカン・エナジー・ホールディングス)は、、1971年に創業、2000年にバークシャーハサウェイ傘下となった電力事業持株会社で、傘下企業を通じてアメリカおよびイギリスで発電事業や電力供給事業、ガス供給事業などを展開しています。2014年に社名を「ミッドアメリカン・エナジー・ホールディングス」から、「バークシャー・ハサウェイ・エナジー」に変更しています。
バークシャー・ハサウェイ・エナジーのWebサイトはこちらです。
その他の各種事業
バークシャー・ハサウェイ傘下の事業は、上記の保険・鉄道・エネルギーのほかに、製造・卸売・小売・サービスなど多岐にわたります。
See’s Candies
カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くシーズ・キャンディーズは、1921年創業、キャンディーの老舗企業で、1972年にバークシャー・ハサウェイの傘下となっています。
シーズ・キャンディーズのWebサイトはこちらです。
ウォーレン・バフェット氏に関する文献の中に、このシーズ・キャンディーズは頻繁に登場します。
同氏は、この会社を「夢のビジネスのプロトタイプ」(The prototype of a dream business)と呼んでおり、買収に成功した最も優良な会社の一つとされています。