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ランキングと個別銘柄チャートの最終更新日は、2022年12月25日です。
コラム

米国の不動産セクター上位はREITばかり。日本では不動産セクターとREITは別々。日米の違いは何か?

はじめに

米国株をセクター別に調べていると、米国株の「不動産セクター」に疑問をもつことはないでしょうか?

米国株の不動産セクターの上位銘柄はREITばかりが並んでいて、日本のいわゆる「不動産会社」が上位にないですね。
そもそも日本では、株式とREITが別の扱いなので、株式の不動産セクターにはREITが出てきません。
この日米の違いは、なぜでしょうか?

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米国株の不動産セクターの上位銘柄は、REITばかり

まず米国株の不動産セクターの上位10社をみてみましょう。
この10社はすべてREITです。
首位のプロロジスや2位のアメリカンタワーは、時価総額が1,000億ドルを超えており、S&P500構成銘柄のなかでも70位台に位置する巨大企業です。(時価総額でみるとこの2つのREITは、日本一の不動産会社である三菱地所の約5倍くらいの規模です。)

順位ティッカー社名時価総額
(Billドル)
1PLDPrologis Inc. 107.5
2AMTAmerican Tower Corporation106.7
3CCICrown Castle International Corp72.4
4PSAPublic Storage62.3
5EQIXEquinix Inc.60.2
6SPGSimon Property Group Inc.45.9
7DLRDigital Realty Trust Inc.38.6
8ORealty Income Corporation37.8
9WELLWelltower Inc.35.3
10SBACSBA Communications Corp.33.6

なお、米国株の不動産セクターには、REITではない銘柄もあります。
例えば、不動産サービスのCBREグループ(ティッカー:CBRE)や、不動産テックのトップ企業Zillow Group Inc.(ティッカー:Z)などは、不動産セクターの企業ですが、REITではないですね。

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日本では、REITが株式とは別の扱いになっている

次に日本の場合をみてみましょう。
日本株の不動産セクターの上位銘柄は以下の通りです。(2022年2月22日時点)

順位証券コード社名時価総額
(10億円)
時価総額※
(Billドル)
18802三菱地所2,49221.6
28801三井不動産2,45621.3
38830住友不動産1,70214.8
43003ヒューリック7946.9
53291飯田グループホールディングス6485.6
63288オープンハウスグループ6285.4
73231野村不動産ホールディングス5134.4
89706日本空港ビルデング5024.3
93289東急不動産ホールディングス4684.0
108804東京建物3723.2

※115円/ドルで換算したドル建て概算額です。

日本では、REITは株式とは別の区分で扱われており、上位のREITは以下の通りです。(2022年2月22日時点)

順位証券コード社名時価総額
(10億円)
時価総額※
(Billドル)
18951日本ビルファンド投資法人1,1009.5
23283日本プロロジスリート投資法人8877.7
38952ジャパンリアルエステイト投資法人8337.2
43281GLP投資法人7756.7
53462野村不動産マスターファンド投資法人7286.3
68984大和ハウスリート投資法人7256.3
78953日本都市ファンド投資法人6655.7
88954オリックス不動産投資法人4523.9
93269アドバンス・レジデンス投資法人4433.8
108960ユナイテッド・アーバン投資法人4133.5

※115円/ドルで換算したドル建て概算額です。

以下は東証のWebサイトです。米国株と違って、J-REITは株式とは別々になっていますね。

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米国のREITは、優遇税制があるのはJ-REITと同じ。しかし内部運用も開発も可能な点で、J-REITと違って不動産事業会社に近い。一方、J-REITは投資ファンドに近い。

米国のREITとJ-REITの比較表を以下にまとめましたので、ご覧ください。

米国REITは1960年にスタートして60年以上の歴史があり、その長い歴史のなかで、税制が途中で改正されたことで性質が変容し、また投資対象も多様化がすすんでいます。一方、J-REITもスタートから20年を超え、順調に成長しているといえるでしょう。

 米国REITJ-REIT
開始年1960年2000年
投資対象オフィス
インダストリアル・物流施設
小売
住宅
分散
ロッジ・リゾート
貸し倉庫
ヘルスケア
森林
インフラ
データセンター
特殊
モーゲージ
オフィス
商業施設
住宅
物流施設
ホテル
ヘルスケア
根拠法内国歳入法(Internal Revenue Code:IRC)第 856 条~第 860 条投資信託及び投資法人に関する法律(通称「投信法」
「租税特別措置法」第 67 条の 15(投資法人に係る課税の特例)
パススルーとなる税制上の要件
(導管性要件)
90%超の配当その他 90%超の配当その他
外部運用管理・内部運用管理の別

内部運用管理が可能
(1986年以前は、外部運用管理のみ)
米国REITは、自社で投資の運用や資産の管理ができます。(以前はJ-REITと同様に不可能でしたが、1986年の内国歳入法改正によって、現在は7割以上の米国REITが自社で運用管理を行っています。)
外部運用管理のみ可能
J-REITは、自社で投資の運用や資産管理ができず、外部に委託する必要があります。(J-REITが系列の不動産会社の事業と一体になっているのは、このためです。)
事業の内容賃貸事業だけでなく、開発事業も行える賃貸事業しか行えない
従業員雇用できる雇用できない

 

以上から、米国のREITは「優遇税制のついた不動産事業会社」に近く、一方でJ-REITは器(ビークル)なので「投資ファンド」に近いということができます。

米国REITは、上記の通り1986年の税法改正によって内部運用・管理型の仕組みを導入して以来、不動産に投資する信託から、より不動産事業会社としての性質を強く帯びるようになり、現在は米国株の不動産セクターの上位にならぶほどREITが成長しています。

※なおREITの税制の要件は、日米であまり差異がありません。

  • 持分保有要件:発行済の投資口が一定数の者によって所有されていること(公衆性を守るため)
  • 非同族会社要件:同族会社に該当していないこと(持分保有の分散性を守るため)
  • 資産要件:一定割合以上の資産は不動産等に限定される
  • 支配禁止要件:他の法人の持分を一定数以上保有してはならない
  • 配当要件:これがいわゆる「90%配当要件」です。その年の配当支払額がその年の「配当可能利益」の 90%を超えていること

税金が優遇されるというよりも、正確には「配当が損金になる」と言ったほうが正確です。たとえば95%配当して(他の要件も満たすと)残り5%だけが課税されます。
以上、ご参考になれば幸いです。

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