S&P500をグロースの成分とバリューの成分に分解して、セクター・ローテーションの動きを見てみよう
足元の米国株市場は上値の重い展開で、明日のCPI待ちといった感じですね。
さて、今回の記事では、S&P500株価指数を、グロースの成分とバリューの成分に分解して、足元の相場をあらためてみてみたいと思います。
- S&P500株価指数の構成銘柄のうち、グロース株で構成される代表的なETFとして、ブラックロックの「IVW」(ベンチマークは、S&P500 Growth Index)
- 同様に、バリュー株で構成される代表的ETFとして、同じくブラックロックの「IVE」(ベンチマークは、S&P500 Value Index)
なお、IVWの保有銘柄数は239銘柄、IVEの保有銘柄数は449銘柄あります。S&P500構成銘柄を単純にどちらかに分けているものではありません。
以上2つのETFを、S&P500株価指数(ETFとしてVOOを使用)と比較したものが、以下のチャートです。基点は2021年年初からで、直近の約13カ月間の相対パフォーマンスを示しています。
緑色のラインがIVW、赤いラインがIVEです。(クリックで拡大できます。)
想像通り、今年年初からの下落相場において、S&P500のバリュー成分「IVE」は、それほど下げてないですね。
2021年年初からの13カ月間でみると、以下のような「セクター・ローテーション」の動きがわかります。
- 2021年の序盤はバリューのIVEがアウトパフォーム
- 2021の中盤から終盤まではグロースのIVWがアウトパフォーム
- そして直近はバリューのIVEがアウトパフォームしています。
なおS&P500株価指数のバリュー株成分は、ボラティリティが相対的に低く、S&P500株価指数全体の安定性に寄与している、とも言えそうです。
一方、長期的なパフォーマンス(2011年以降)を比較すると、下のような状況です。長期的にはグロースのIVWが(ボラティリティが高いものの)圧倒的にアウトパフォームしていますね。
グロースETF「IVW」とバリューETF「IVE」の構成銘柄と分配金利回りをみてみよう
それでは、上記で比較したグロースETF「IVW」とバリューETF「IVE」の、構成銘柄と分配金利回りをみてみましょう。
iShares S&P 500 Growth ETF | IVW
運用会社:ブラックロック
2021年2月4日時点
ベンチマーク:S&P500 Growth Index
手数料:0.18%
分配金利回り:0.51%(2022年1月31日時点)
銘柄数:239銘柄
上位構成銘柄:
- AAPL APPLE INC 13.89%
- MSFT MICROSOFT CORP 11.87%
- AMZN AMAZON COM INC 7.11%
- GOOGL ALPHABET INC CLASS A 4.45%
- GOOG ALPHABET INC CLASS C 4.13%
- TSLA TESLA INC 3.88%
- NVDA NVIDIA CORP 3.14%
- FB META PLATFORMS INC 2.90%
- HD HOME DEPOT INC 1.49%
- ADBE ADOBE INC 1.26%
iShares S&P 500 Value ETF | IVE
運用会社:ブラックロック
2021年2月4日時点
ベンチマーク:S&P500 Value Index
手数料:0.18%
分配金利回り:1.84%(2022年1月31日時点)
銘柄数:449銘柄
上位構成銘柄:
- BRKB BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B 3.06%
- JNJ JOHNSON & JOHNSON 2.40%
- PG PROCTER & GAMBLE 2.07%
- XOM EXXON MOBIL CORP 1.83%
- UNH UNITEDHEALTH GROUP INC 1.40%
- CVX CHEVRON CORP 1.39%
- DIS WALT DISNEY 1.37%
- JPM JPMORGAN CHASE & CO 1.29%
- KO COCA-COLA 1.26%
- CMCSA COMCAST CORP CLASS A 1.19%
参考:IVW vs QQQ
なおご参考に、上記のS&P500指数グロースETF「IVW」を、ナスダック100指数に連動する「QQQ」とパフォーマンス比較すると、以下のような感じです。
QQQが長期的にアウトパフォームしていますね。QQQは100銘柄であるのに対して、IVWは239銘柄あってより分散されたETF、ということですね。
以上、ご参考になれば幸いです。