はじめに
「QQQ」は、ナスダック100株価指数に連動する有名なETFですね。日本の投資家にも人気があります。
さて、この「QQQ」とは別に、「QQQM」というETFがあるのをご存じでしょうか?
QQQMは、QQQの廉価版で、手数料や単位当たり取引金額がQQQより安いETFです。
QQQMは、日本の大手ネット証券(SBI・楽天・マネックス)では取り扱いがまだ無いと思います。(間違っていたらすみません)
インタラクティブ・ブローカーズ証券等の米国の証券会社に口座がある方は、QQQMの購入が可能です。
「QQQ」と「QQQM」の違い
下記は、「QQQ」と「QQQM」の比較表です。
QQQ | QQQM | |
正式名称 | Invesco QQQ | Invesco NASDAQ 100 ETF |
運用会社 | Invesco | Invesco |
開始日 | 1999-03-10 | 2020-10-13 |
時価総額(2022-10-28) | $155.2Bil | $5.2Bil |
手数料率 | 0.20% | 0.15% |
終値(2022-10-28) | 272.87 | 115.68 |
以下は、QQQとQQQMの値動きを相対比較したものです。
青いエリアチャートがQQQ、赤いラインチャートがQQQMです。
わかりにくくてすみません。要は、両方ともナスダック100に連動するので、値動きはほぼ同じになります(1単位当たりの価格は異なります)。
QQQの開始は1999年で、時価総額は約1,500億ドルにのぼる巨大なETFです。
一方、QQQMがスタートしたのは最近の2020年です。時価総額も、QQQMはQQQよりはるかに小さいです。
両者の特に重要な違いは、QQQMの方が手数料が安いこと、そして1単位当たりの価格が半分以下であることで、個人投資家にとってはQQQMの方が有利です。
また、株やETFの現物にカバードコールなどのオプション取引を加える場合、オプション1枚は現物100単位です。
QQQの100単位は約27,200ドル(約400万円)、一方QQQMの100単位は11,500ドル(約170万円)となります。この点でも、QQQMの方が個人投資家には有利ですね。
次に、QQQMとQQQのBid-Askのスプレッドはどうでしょうか?
下は、2022年10月31日の米国時間に、IB証券のQQQMとQQQのBid-Askをキャプチャしたものです。
(スプレッドはあまり変わらないですね。)
そもそもInvescoは、長期間にわたって人気のあるQQQとは別に、なぜそれより手数料の安いQQQMを始めたのでしょうか?
インデックスに連動するETFとその廉価版としては、S&P500に連動する「SPY」と「SPLG」などがありますね。
QQQMやSPLGがつくられる背景として;
運用会社同士の手数料競争が激化する中、運用会社としては、基幹ETFの手数料は据え置きとして、その廉価版のETFを別途つくる、という事業戦略をとっているためと考えられます。
以上、ご参考になれば幸いです。