はじめに
早いもので、今年2022年も第3四半期が終わりましたね。
この四半期は終盤になって英国が相場の主役になりましたね。(新政権が財源手当てのない大型減税策 → 金利急騰 → 年金ファンドのマージンコール発生 → BOEが直前に決めた金融引締めから一転して一時的な金融緩和を断行)
一方日本はというと、日本政府が為替介入してから、円は相場の主役の座から(一時的に)降りた格好になっています。
英国の混乱をみると、相場はまさに一寸先は闇ですね。
2022年第3四半期のナスダックのパフォーマンス、ベスト5とワースト5は?
さて、2022年第3四半期が終わったところで、米投資雑誌のバロンズが恒例の、この四半期のベスト5とワースト5の銘柄を掲載しています。(S&P500とナスダック100の両方の記事がありますが、今回はナスダック100の方をご紹介します。)
The 5 Best—and 5 Worst—Stocks in the Nasdaq This Quarter(バロンズ、2022-10-01)
第1位:Constellation Energy : CEG
第2位:Netflix : NFLX
第3位:Biogen : BIIB
第4位:MercadoLibre : MELI
第5位:PayPal Holdings : PYPL
【ワーストパフォーマンス】(1位が最も悪いという意味です)
第1位:Okta :OKTA
第2位:Charter Communications : CHTR
第3位:Zoom Video Communications : ZM
第4位:Match Group : MTCH
第5位:Intel : INTC
バロンズの記事は文章だけなので、相対比較のチャートを掲載しておきます。以下は、該当の2022年第3四半期のみの相対比較チャートと、より長期をみるという意味で2021年年初からの相対比較チャートです。赤い太いラインはナスダック100指数です。
Constellation Energy:CEG
ベストパフォーマー第1位は、Constellation Energy(CEG)という脱炭素エネルギーの会社です。
この銘柄は、8月に署名された気候関連法案の恩恵を受ける可能性が好感されています。
※
2022年8月16日、バイデン大統領が署名して、「Inflation Reduction Act of 2022」(インフレ削減法案)が成立しました。この法案では、気候変動対策として、再生可能エネルギーやエコカーへの税額控除などが注目されています。
Constellation Energyは、2012 年にExelon(EXC)と合併する前は、「Constellation Energy Group(旧ティッカー:CEG)」 という会社でした。その後、今年2022年2月にExelonからスピンオフして「Constellation Energy(ティッカー:CEG)」としてスタートしました。エクセロンからスピンオフした時点で、すぐに(エクセロンと同様に)S&P500・ナスダック100の構成銘柄になっています。
Constellation EnergyのWebサイト
Netflix:NFLX
ベストパフォーマー第2位は、ネットフリックスです。
ネットフリックスはベストパフォーマーというよりは、急落後の急反発ですね。
同銘柄は、今年になって株価が 60%下落した後に、第3四半期に35%急上昇しています。同社は、広告付きでより安価な視聴プランを準備中です(来月-2022年11月-から開始か、と報道されています)。
Biogen : BIIB
ベストパフォーマー第3位はバイオジェンです。
これは先日発表されたばかりの素晴らしい材料による急騰ですね。
エーザイと提携して開発したアルツハイマー病薬レカネマブが、アルツハイマー病の初期段階の人々の認知機能低下を遅らせることを発表しました。
MercadoLibre:MELI
この銘柄は、ウルグアイに本社を置く、南米を代表するEコマース企業で、ブラジル、メキシコ、およびその他の国で事業を展開しています。
PayPal Holdings:PYPL
ペイパルの株価は、アナリストが見積もりを大幅に修正したことで、今年になって54%下落、しかし8月の堅調な四半期決算の後、当四半期中に23%上昇しています。
Okta :OKTA
ワーストパフォーマー第1位は、クラウド認証サービスのオクタで、当四半期中に37%下落しました。9 月初旬、同社が2021年に買収したIDソフトウェア会社Auth0 に関して、販売チームの統合に問題があることを認めたため、成長ペースの減速が警戒されています。
Charter Communications : CHTR
米国最大のケーブルプロバイダーの一角であるチャーター コミュニケーションズ (CHTR) は、第2四半期決算で四半期ごとのインターネット加入者の減少を発表しています。
Zoom Video Communications : ZM
ズームの株価は第3 四半期に32%下落、人々がオフィスに戻り、競争激化で需要が弱まる中で、2022年度のガイダンスを調整したことが嫌気されています。
以上、ご参考になれば幸いです。