はじめに
2022年9月29日、ポルシェがフランクフルト証券取引所に上場しましたね。
IPO価格は82.5ユーロで、投資家に提示したレンジ(76.50-82.50ユーロ)の上限でスタートしました。
ティッカーは何と「P911」!
独VW傘下のポルシェ、フランクフルトに上場-株価上昇(Bloomberg)
低迷が続く株式市場に明るいニュースですね。
ポルシェの親会社のフォルクスワーゲン(VW)は、ポルシェの株式資本を議決権株と無議決権株に均等に分けて、VWが出資比率を75%に維持する一方で、無議決権株の約12.5%が今回のIPO対象としています。
そのかなりの部分は、コーナーストーン投資家(戦略的大口の投資家)4者、カタール投資庁(QIA)、ノルウェーの政府系ファンド、米資産運用会社ティー・ロウ・プライス、アブダビ首長国政府系ファンド(ADQ)が確保します。
コロナ禍でも高級車の売れ行きは好調ということで、ポルシェの2022年の営業利益率は17~18%に達する見通し、と報道されています。
IPO当日のP911の株価は、以下のように推移しました。(5分足です。)
上場初日によくある「往って来い」ですね。しかしIPO価格の82.5ユーロは維持したかたちで引けています。市場が低迷している中、順調にスタートしたといえそうです。
親会社のVWとさらにその親会社のポルシェSEは株価下落
実は、「ポルシェ」と名前が付く会社で、すでに上場している銘柄があります。それは「ポルシェSE(Porsche Automobil Holding SE、ティッカー:PAH3)」という持株会社で、フォルクスワーゲン(ティッカー:VOW3)の53.1%を保有しています。
今回は、ポルシェSEの子会社のフォルクスワーゲンの、さらに子会社のポルシェAGが上場したことになります。
ポルシェAGが上場した昨日、フォルクスワーゲンは▼6.85%の下落、ポルシェSEは▼10.93%の下落で引けています。「Sell the Fact」といったところでしょうか。
以上、ご参考になれば幸いです。