ナスダック100は最高値から12%の下落
昨晩(2022年1月20日)の米国株は、来週のFOMCを控えて、序盤はさすがに売られすぎの雰囲気で買い先行でしたが、終盤に大きく売られマイナス引けでしたね。
ナスダックは最高値からすでに約12%の下落です。
下の長期チャートは、ナスダック100の日足と200日移動平均線です。左側の目盛は10年債利回り(赤線)で、下側はFF金利(青線)です。(クリックで拡大できます。)
足元のナスダック100は、200日移動平均線を下抜けしてきましたね。
過去5年間に、ナスダック100が200日移動平均線を明確に下抜けたのは、2018年の後半と、2020年のコロナウイルスのショック相場の2回だけです。コロナのショック相場は除外して、サークルで示した2018年の相場を、次章でくわしく見てみましょう。
過去の大きなナスダック下落事例(2018年)を見てみよう。
上のチャートの2018年を拡大すると、以下のように推移しています。2本の赤い縦のラインで示した期間が2018年です。
青いラインで示した通り、この年のFRBは、(前年の3回に続いて)4回の利上げを実施しています。
2018年の序盤は、トランプ大統領が始めた先の見えない米中貿易摩擦が激化、また長期金利(10年債利回り)が急騰して米国株は急落、ダウ平均が過去最大の下げ幅を記録しました。4月頃からは米中対立が一服して、上のナスダック100もいったん最高値を更新しました。
しかし9月頃から状況が一転、長期金利(10年債利回り)が7年5か月ぶりの水準まで上昇しました。米経済の成長減速・リセッション懸念が急速に台頭、景気への影響、特にハイテク企業の悪影響が懸念され、ナスダック100は上のチャート通り、約3か月にわたって大きく下落しました。
この3か月のナスダック100の下落幅は、最高値から約23%でした。
現在の相場は、2018年当時とはかなり違う状況ですね。現在はFRBが利上げを始める前ですし、長期金利の水準も随分違います。
ただし、2018年のナスダックのチャート推移は、とても参考になります。2018年の序盤は200日移動平均線がサポートになって何度かはね返されましたが、2018年の終盤の急落の際には、その200日移動平均線がレジスタンスとして機能して(サポレジ転換)、その後最終的にセリングクライマックスを迎えて、翌年の急回復につながります。
ご参考になれば幸いです。