農産物系のコモディティCFDのなかで、今回は「オレンジCFD」への投資についてまとめておきたいと思います。
オレンジとは? みかんと何が違う?
オレンジは、ビタミンCや食物繊維やフラボノイドが豊富な果実で、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジなどの種類があります。

日本の「みかん(主に温州みかん)」は、柑橘属で原種はオレンジと同じですが、地中海からアメリカ大陸に伝わったものがオレンジで、中国からアジアで広がったものがみかんです。
国別のオレンジジュースの生産量ランキングは、以下の通りです。
(2020年時点。単位:百万トン)
- 1位 ブラジル 1,157,000
- 2位 米国 250,000
- 3位 メキシコ 200,000
- 4位 EU-27(欧州諸国) 87,987
- 5位 南アフリカ 52,000
- 6位 中国 30,770
- 7位 オーストラリア 16,500
- 8位 トルコ共和国 9,500
上記の通り、オレンジジュースの生産世界一は、ブラジルです。2位の米国では、温暖なフロリダ地方がオレンジ果実の大生産地です。
(データ元:テレ東Biz, 2022-01-18)
アメリカの農務省が2022年年初に発表したデータによると、オレンジの主要生産地であるフロリダ州の2022年の生産量は1945年以来の低水準となる見通しです。「カンキツグリーニング病(Citrus Greening Disease)」と呼ばれる木を枯らせる病気が広がっているためです。これに加えて機関投資家による投機的な動きもあり、米国のICE市場(後述)ではオレンジジュースの先物価格が上昇しています。
FCOJとは?
国際的なオレンジの流通は、主に「FCOJ」(Frozen Concentrated Orange Juice:冷凍濃縮オレンジジュース)の状態で行われています。FCOJは、米国のインターコンチネンタル取引所(ICE:Intercontinental Exchange)に上場されており、「オレンジCFD」の原資産は、このFCOJ先物です。

映画「大逆転」で登場する先物市場が、この「FCOJ」です。↓
FCOJについて、以下の「日本ジュース・ターミナル社」のWebサイトに詳しく解説されていますので、ご紹介したいと思います。。
(Webサイトはこちら)
日本ジュース・ターミナル社とは?
日本ジュース・ターミナル株式会社(NJT)は、愛知県三河港豊橋エリアに拠点を置くブラジルの濃縮オレンジジュースを取り扱う日本最大の専用バルクターミナルです。ここでは、ブラジルから専用冷蔵タンカーで運ばれてきた濃縮オレンジジュースを貯蔵タンクへ受入、冷蔵保管、在庫管理、品質管理、必要に応じたブレンド、形態別充填作業および飲料メーカー、ボトラー、パッカーへの出荷を行っています。
オレンジジュース先物(FCOJ先物:ICE)の価格推移
冒頭のテレ東の動画の通り、足元のオレンジジュースの先物価格は上昇傾向にあります。
(クリックで拡大できます。)
オレンジジュース先物の価格決定要因
オレンジジュースの先物価格を左右する要素(需要・供給に影響を与える要素)としては、以下のようなものがあります。
天候
オレンジの木は、年間降雨量が40〜45インチの温暖な地域で最もよく育つといわれています。米国やブラジルでハリケーンや長期にわたる干ばつが発生した場合は、オレンジの世界的な供給を大幅に減少させ、価格を押し上げる可能性があります。
病気
冒頭のテレ東の動画にも出てきますが、「カンキツグリーニング病」は、オレンジの木立に影響を与える最も一般的な病気です。これはミカンキジラミと呼ばれる昆虫が原因で、樹木に感染すると治癒しません。キジラミは木にバクテリアを感染させ、オレンジの木が栄養分を取り込む能力を阻害します。これにより、最終的には小さくて熟していないオレンジが生産されます。「カンキツグリーニング病」、米国のフロリダとカリフォルニアで蔓延していると見られています。
消費者の需要
消費者の行動や嗜好の変化は、オレンジジュースに対する需要を変動させることがあります。
米ドルの強さ
これは他のコモディティと同じです。ほとんどのコモディティの価格が米ドルであるため、ドルの価値が増減すると、コモディティ市場での購買力が増減します。コモディティの価格は、米ドルが他の主要通貨に対して上昇すると下落し、米ドルが下落すると上昇する傾向があります。
オレンジCFDを取り扱う国内証券会社
国内証券では「IG証券」において、オレンジCFDを取り扱っています。