米国株「BDC(事業開発会社)」特集(3)BDC個別銘柄の分析

米国株「BDC(事業開発会社)」特集・目次
(1)概要
(2)BDC関連ETF「BIZD」
(3)BDC個別銘柄の分析(当記事)

BDC個別銘柄の抽出

今回はBDC特集の3回目として、BDCの個別銘柄を見てみたいと思います。
対象候補として、前回紹介したETF「BIZD」の中で、ウエイトが4%以上の上位銘柄についてみてみます。

BIZDの上位保有銘柄2020年12月23日時点

ティッカー銘柄名ウェイト
ARCCAres Capital Corporation COM12.26%
ORCCOwl Rock Capital Corporation COM7.24%
HTGCHercules Capital Inc COM5.34%
MAINMain Street Capital Corporation COM5.05%
GSBDGoldman Sachs BDC Inc. SHS5.03%
GBDCGolub Cap Bdc Inc COM5.03%
FSKRFS KKR Capital Corporation II4.86%
PSECProspect Capital Corporation COM4.61%
TSLXSixth Street Specialty Lending Inc COM4.55%
FSKFS KKR Capital Corp COM4.53%
NMFCNew Mountain Finance Corporation COM4.40%

なお、上記のうち「FSK(FS KKR Capital Corp.)と「FSKR(FS KKR Capital Corp. II)」は、同じグループ会社の銘柄で、2021年中に合併される計画となっており、かつ現状のNAV倍率(後述)が相当に低いので、今回の分析対象から除外します。
したがって、残りの9つの銘柄を比較分析することにします。

BDC個別銘柄の分析

以上の9銘柄について、2018年年初から2020年までの3年間を対象に、比較分析したものが以下のチャートです。

1段目:価格
2段目:NAV倍率
3段目:時価総額
4段目:配当利回り
です。

ファンド分析早わかりチャート(米国株.com式)(クリックで拡大できます。)

NAV倍率


NAV倍率とは、「ファンド1投資口あたりの価格 ÷ ファンド1投資口あたりの時価ベースの純資産
をいいます。これは、株式のPBR(株価純資産倍率)と同じ考え方で、分母を簿価ベースから時価ベースに引きなおしたものです。
NAV倍率の分母は、ファンドの価値を意味します。よってNAV倍率が1より大きいときは、市場はそのファンドの成長性を評価して、価値よりも「割高」に評価していることになります。

NAV倍率は、REITやBDCなどのファンドの評価指標として、とても重要です。REITやBDCでは、利益のほとんどすべてを配当に回します。よって会社が成長していくためには増資が不可欠ですが、ここでもしNAV倍率が1よりもずっと低い場合は、既存の投資者に悪影響があるために増資が困難になり、ひいてはファンドの成長にも影響があるためです。(REITと異なり、BDCは借入を資本の2倍までしかできないので、なおさらです。)

REITやBDCなどのファンドの分析では、まずNAV倍率をみることをおすすめします。

今回の分析対象のBDCの直近のNAV倍率は、以下のような順序になっていますね。
MAIN (1.45)  > HTGC (1.38)> GSBD (1.25) > TSLX (1.23) > ARCC (0.99)
> GBDC (0.96) > NMFC (0.92) > ORCC (0.89) > PSEC (0.65)

時価総額

ファンドの時価総額とは、「価格 X 発行済み投資口数」をいいます。
時価総額が大きいファンドの方が良いです。流動性が大きく、リスクも分散されます。

今回の分析対象のBDCの直近の時価総額は、以下のような順序になっていますね。
単位は10億ドルです。
ARCC (6.9B) > ORCC (5.0B) > GBDC (2.3B) > PSEC (2.1B) > MAIN (2.1B)
> HTGC (1.6B) > TSLX (1.4B) > NMFC (1.1B) > GSBD (0.78B)

ARCCがダントツに大きいファンドであることがわかります。

配当利回り

一方、直近の配当利回りは、以下のような順序になっています。
PSEC (14.31%) > NMFC (13.39%) > GSBD (11.97%) > ARCC (11.47%) > HTGC (11.06%)
> ORCC (10.61%) > TSLX (9.41%) > GBDC (9.25%) > MAIN (8.32%)

なお、配当利回りだけを見てBDCを選ぶのは危険なので絶対にダメです。配当利回りが高くても、NAV倍率が1よりずっと低いものは、個々に理由があって市場はその理由をもって評価を下げているのですから、投資対象にはしない方が良いです。

結論(私見)

あくまで個人的意見ですが、最も安定感のあるARCCをメインにして、NAV倍率の高いMAINHTGCGSBDTSLXあたりが分散投資の対象になると思います。(なお、全体の投資枠のごく一部にすることは必須です。)

なおスマホ証券の「One Tap Buy」では、ARCCとMAINを取り扱っています。毎月、1000円からの少額でこの2つを買い増していくのは良い投資法だと思います。
「One Tap Buy」の解説記事はこちらです。

なお、ファンドの評価指標としては、さらにFFO倍率という指標(PERみたいなものです)や、個別のSECファイリングの中の経営者による分析、投資区分別の割合や、REITとのビジネスモデルの違いなど、さらに深く分析をすすめていくと良いと思います。
(投資は自己責任で!)

 

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