米国株「BDC(事業開発会社)」特集(1)概要

米国株「BDC(事業開発会社)」特集・目次
(1)概要(当記事)
(2)BDC関連ETF「BIZD」
(3)BDC個別銘柄の分析

BDCとは?

BDC(Business Development Company、事業開発会社)とは、将来性のある中堅企業に対して、金銭面(融資および投資)と経営面の両方からサポートすることを目的とする会社で、その多くが証券取引所に上場しています。BDCの事業形態は、1940年投資会社法を修正して1980年に承認されました。

米国の主要銀行は国際的な自己資本比率規制を達成するために、中堅企業向け融資を抑制する傾向にあります。
その一方で、中堅企業を支援する米国の重要な国策のために整備されたBDCは、中堅企業の資金需要を順調に取り込んでおり、投融資残高を増加させています。

BDCは、所得の90%以上を株主に配分する一方で、法人所得税が免除されます。

これはREITと同じ「パススルー」の仕組みですね。会社の利益について、その会社では課税されず、その利益の配分を受けた者が課税される制度を「パススルー」と呼びます。

したがって、BDCへの投資は、相対的に高い配当利回りが期待できます。

しかし、高い配当利回りを出すために、とてもリスクの大きい投融資をすると、投資家が損害を受けます。
そこでBDCの財務健全性を維持させるための規制として、BDCには以下のルールが課せられます。

  • ポートフォリオの50%は、ポートフォリオ全体の5%未満の投融資先で構成される必要があります。
  • 単一の投融資先がポートフォリオ全体の25%を超えてはいけません。
  • 総負債総自己資本比率は2までとし、2を超えることはできません。(トランプ政権が2018年に改正するまでは、当該比率の上限は1でした。)
  • ポートフォリオの70%以上は、「適格資産(特定条件を満たす企業)」に投融資する必要があります。

代表的なBDCの長期パフォーマンス

代表的なBDCの銘柄として、ARCC(Ares Capital Corporation )と、MAIN(Main Street Capital Corporation)の2つをとりあげ、過去5年間(2016年年初~2020年12月)のパフォーマンスをみてみます。

BDCの投資目的は長期の配当狙いですので、まずは「価格」と「配当利回り」の推移を見てみます。

BDCの分析では、「配当利回り」だけを見るのは危険なのでダメです。「NAV倍率」や「時価総額」が重要ですが、これらについては第3回目の分析の記事にてご紹介します。

下の比較チャートは、

  • 上段は価格(2016年年初からの増減率。青がARCC、赤がMAIN、参考にオレンジはS&P500です。)
  • 下段は配当利回り(青がARCC、赤がMAIN)です。

(クリックで拡大できます。)

コロナ前は総じてMAINの方が価格が上昇・配当利回りは低いこと(第3回目の記事で紹介しますが、MAINの方がARCCよりもNAV倍率が高い銘柄です。)、またARCC・MAINともに2020年3月のコロナ関連の相場急落局面では、S&P500よりも大きく下落していること、直近はコロナ急落前と比較してARCCの方がMAINよりも価格の回復の度合いが相対的に大きいこと、などがわかります。

経済不況やコロナ急落のような変動に弱いBDCのリスクを理解した上で、ポートフォリオの一部で長期投資する限りは、BDCは一般の株式よりも高い配当利回りで長期運用できる可能性がある、といえるでしょうね。

しかし、配当利回りだけで銘柄を選ぶのは危険です。特に重要な「NAV倍率」について、第3回目の記事でご紹介します。

BDCの一覧

BDCの市場全体の動向を表すインデックスには、ウェルズ・ファーゴ・ビジネス・デベロップメント・インデックス(Wells Fargo Business Development Company Index)や、S&P BDC指数などがあります。以下の一覧は、ウェルズ・ファーゴの方のBDC指数(ウェルズ・ファーゴのサイトはこちら)の構成銘柄と指数ウエイトをまとめたものです。最終更新日:2020年12月24日

ティッカー銘柄名ウェイト
HTGCHercules Capital Inc COM0.049
ARCCAres Capital Corporation COM(前章ご参照ください。)0.047
TSLXSixth Street Specialty Lending Inc COM0.047
FSKRFS KKR Capital Corporation II0.043
GBDCGolub Cap Bdc Inc COM0.041
MAINMain Street Capital Corporation COM(前章ご参照ください。)0.041
NMFCNew Mountain Finance Corporation COM0.041
PSECProspect Capital Corporation COM0.041
ORCCOwl Rock Capital Corporation COM0.041
FSKFS KKR Capital Corp COM0.04
AINVApollo Investment Corp. COM NEW0.035
BCSFBain Capital Specialty Finance Inc COM STK0.031
CGBDTCG BDC INC COM0.03
TCPCBlackrock Tcp Capital Corp COM0.03
SLRCSolar Capital Ltd COM0.029
GSBDGoldman Sachs BDC Inc. SHS0.029
OCSLOaktree Specialty Lending Corporation COM0.027
PFLTPennantpark Floating Rate Capital Limited COM0.023
PNNTPennantPark Investment Corporation COM0.022
TPVGTriplePoint Venture Growth BDC Corp COM0.021
CCAPCrescent Capital BDC Inc.0.021
FDUSFIDUS INVESTMENT CORPORATION COM0.019
WHFWhitehorse Finance Inc. COM0.019
NEWTNewtek Business Services Corporation COM NEW0.019
BKCCBlackrock Capital Investment Corp COM0.017
CSWCCapital Southwest Corporation COM0.017
GAINGladstone Investment Corporation COM0.017
OXSQOxford Square Cap Corp COM0.017
GLADGladstone Capital Corporation COM0.016
MRCCMONROE COM0.016
SCMStellus Capital Investment Corporation COM USD0.010.016
BBDCBarings Bdc Inc COM0.016
FCRDFirst Eagle Alternative Capital Bdc Inc COM USD0.0010.015
HRZNHorizon Tech Fin C COM0.013
SARSaratoga Investment Corp. COM NEW0.013
SUNSSolar Senior Capital Limited COM0.013
OCSIOaktree Strategic Income Corp COM0.011
MVCMVC Capital Inc COM0.01
SSSSSuro Capital Corp COM NEW0.007
グーグルやアップル、フェイスブックなども、創業期にはBDCの支援を受けました。

 

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