ヴァージン・ギャラクティック株が急落
宇宙旅行事業を手掛けるヴァージン・ギャラクティックの宇宙船は、グループ会社のバージン航空を退役したボーイングを使って上空まで行ってから発射される、というユニークな形式ですね。
そのヴァージン・ギャラクティック株が昨日(2021年7月12日)、▼17.3%の急落でした。下の日足チャートをご覧ください。(クリックで拡大できます。)
きっちり窓を埋めていますね。
先週週末に、同社の創業者でヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソン氏(ナイト爵位)が搭乗した宇宙船の試験飛行に成功、一方で、今回の成功を受けて5億ドルの増資計画を発表したことが嫌気された、とされています。
昨日の急落は、6月25日の急騰から始まっています。この急騰は、同社が米連邦航空局(FAA)から、一般客を宇宙空間に運ぶのに必要な免許を取得したと発表したことによるものです。同社は2004年に設立後、事業はなかなか計画通りすすみませんでしたが、今回の免許取得によって、商業宇宙旅行がようやく実現する運びになりました。今夏、満席状態にした初のフライトを計画中、料金は1席25万ドル(約2800万円)ですでに600人が予約している、と報道されています。
ではなぜ昨日▼17%も下げたのか?
増資の件だけでなく、ブランソン氏のテスト飛行日までの短期的な需給の歪み「Buy the rumor, sell the fact」の影響が大きいと思います。
日本では「材料出尽くし」というものですね。
材料出尽くしの典型的なケースは、決算発表ですね。決算発表まで上昇して(決算発表までは売りが出ないので、するすると上がっていって)、好決算が出ても材料出尽くしで下落する、というケースはよくありますね。
ヴァージン・ギャラクティックの直近の業績
同社は、そもそもまだ売上ゼロですので、バリュエーションが難しいです。直近の四半期10-Qの業績は、以下のような状況です。
(クリックで拡大できます。)
宇宙探査で恩恵を受けるセクター
なお宇宙関連、宇宙探査関連セクターは、将来性は大きいですね。通信、軍需、環境、防災、農業など、幅広い産業が恩恵を受けると見られています。
以上ご参考になれば幸いです。