コーン先物がストップ高
昨日は3月期末のポジション調整やリバランスで、株式も為替も特殊な動きでしたね。
そのなかで目を引いたのが、コーン(トウモロコシ)の先物(CBOT:シカゴ商品取引所)の急騰です。
昨日はストップ高で、本日は窓を開けたままの動きです。
急騰の理由は、米農務省が発表したコーンの「作付意向面積」の結果がサプライズ的に少なかったため、とされています。この「作付意向面積」とは何でしょう?
米農務省の「作付意向面積」とは?(USDA Prospective Plantings Report)
作付意向面積(Prospective Plantings Report)とは、米農務省(USDA)の農業統計局(NASS)が、毎年3月31日に公表する作付意向面積の調査結果のことを言います。3月の最初の2週間に、全国の80,000近くの農場経営者に対して実施された調査に基づいており、とうもろこし、大豆、小麦、コメ、綿花等について、3月1日時点の生産者の作付意向を集計したものです。
作付意向面積の公表サイト(米農務省)
「作付意向面積」はその年の生産高を予測する上で重要な指標で、需給予測は「最終確定作付面積」が公表される6月までは「作付意向面積」に基づいて計算されます。この作付意向面積の結果をうけて、穀物相場は4月から天候相場に移行します。

穀物の場合、需要は(短いスパンでは)安定しているのに対し、生産量の方は天候や作付面積で増減します。したがって、穀物系の商品市場では、需要サイドよりも供給サイドがより重視される傾向があります。
今回ストップ高まで急騰したのは、コーンと大豆を合わせた作付面積が、作付対象の変更で説明が少ないほど異常に少なかったためで、統計結果の信頼性について懐疑的な記事もあります↓
参考記事
Where Did the Acres Go? A State-by-State Breakdown of USDA’s Prospective Planting Results

統計の信頼性はともかく、コモディティのトレードとしては3月末は気を付けたほうがよいですね。