(DepopのWebサイト:https://www.depop.com/)
2021年6月2日、世界最大のハンドメイド商品マーケットプレイスのEtsy(エッツィ)が、若者に人気のある英国発のファッション系フリマアプリ「Depop」を16億ドルで買収、と発表しました。当ディールの完了は2021年第3四半期を目指す、とされています。
Etsy to acquire global fashion resale marketplace Depop
(データ元:エッツィWebサイトのIRページ)
エッツィの今回のM&Aは、2019年の中古楽器専門のマーケットプレイス「Reverb」の買収に続くものです。
(ReverbのWebサイト)
エッツィはとても興味深い事業展開をしています。
今回のM&Aの内容を、同社のIRサイトで調べてみたいと思います。
Depopは、2011年に設立、世界で最も多様で進歩的な中古ファッションの拠点をつくることを使命とする、コミュニティ主導型のマーケットプレイスで、ヴィンテージ、ストリートウェア、一点物、Y2K(2000年代)ファッションで知られています。
Depopの2020年の販売総額(Gross Merchandise Sales:GMS、流通総額)と収益は、それぞれ約6億5,000万ドルと7,000万ドルで、それぞれ前年比100%以上増加しており、GMSは2017年から2020年にかけて年平均成長率約80%で成長しています。Depopのアクティブユーザーの約90%は26歳未満で、若い世代の消費者は最も中古ファッションを採用しており、Depopは、米国のZ世代の消費者の間で10番目に訪問されたショッピングサイトです。
中古ファッション市場は、米国では2019年から2024年にかけて39%のCAGR(年平均成長率)で成長し、市場規模は640億ドルに達し、世界ベースでファストファッションの2倍の規模に成長すると予測されています。
Z世代とは、1990年代中盤以降に生まれた世代で、デジタルネイティブ、SNSネイティブ、スマホネイティブといった特徴を持っています。
エッツィの事業戦略は、「情熱的なコミュニティ」「ユニークなアイテム」「高度な差別化」「非コモディティ化」「愛されるブランド」「検索と発見を高度化して買い手と売り手を結びつける」「唯一無二の商品やヴィンテージ商品などを対象とする」といったポイントが挙げられそうです。