ジャクソンホール会議は急遽オンラインに変更
当初26~28日に予定されていた市場注目の「ジャクソンホール会議(Jackson Hole Economic Policy Symposium)」は、27日の1日だけでオンライン開催に変更、と主催者のカンザスシティー連銀が発表しました。ジャクソンホール会議がオンライン開催になるのは2年連続です。
(カンザスシティー連銀、2021年8月20日)
“Due to the recently elevated COVID-19 health risk level in Teton County, Wyo., the Federal Reserve Bank of Kansas City will host its 2021 Economic Policy Symposium, “Macroeconomic Policy in an Uneven Economy,” virtually on Friday, Aug. 27.
While we are disappointed that health conditions will prevent us from being able to gather in person at the Jackson Lake Lodge this year as we had planned, the safety of our guests and the Teton County community is our priority,” said Esther George, president and CEO of the Kansas City Fed.”
カンザスシティー連銀のジョージ総裁は、「(新型コロナ・デルタ株拡大によって)公衆衛生上のリスクが高まっている状況により、対面形式でジャクソン・レイク・ロッジに集うことができないのは残念だが、会議参加者とティトン地域住民の安全を最優先する。」と述べました。
Federal Reserve Chairman Jerome Powell’s remarks will be livestreamed to the public at 9 a.m. CT/10 a.m. ET on Aug. 27 via the Kansas City Fed’s YouTube channel at External Link: www.youtube.com/KansasCityFed. Invited attendees will participate in an online academic symposium following the speech.
パウエル議長の講演は、27日の東部時間午前10時から、上記Youtubeチャンネルで視聴できます。
ジャクソンホール会議は、毎年8月に世界の中央銀行総裁らが集う経済シンポジウムで、中央銀行総裁の発言内容に市場の注目が集まります。
FRBはデルタ株の拡大による影響を注視
今回、ジャクソンホール会議開催の直前にオンライン開催に変更されたこと自体が、デルタ株による経済全般への影響を従来は重大視していなかったFRBの方針転換を示唆している、と見られています。(参考:バロンズ記事、Why the Federal Reserve Canceling Its In-Person Jackson Hole Retreat Matters)
また、ゴールドマン・サックスは19日、「デルタ株による成長やインフレへの影響はわれわれの想定より幾分大きい」として、今年の米経済成長見通しを6.4%から6%に下方修正しました。
今週は、ジャクソンホール会議を前にして株式市場は様子見かと思います。
(余談)
2年前のジャクソンホール会議では、(追加利下げに言及しなかった)パウエル議長の講演をトランプ大統領が痛烈に批判。「FRBは相変わらず何もしていない!」とし、「パウエル議長と習近平国家主席のどちらが米国に対するより大きな敵なのか」とツイートしました。
このツイート、わずか2年前ですが、2年の間に世界は大きく変わりましたね。