ウクライナ情勢はさらに緊迫か
昨日は、「プーチン大統領が、親ロ派武装勢力が占領するウクライナ東部ドネツク州とルガンスク州の一部地域を独立国家として承認すると一方的に宣言」と報道され、つづいて「同大統領は同地域に平和維持軍の派遣を命令」とも報道されており、ウクライナ情勢はさらに緊迫しているようですね。
ここで、各マーケットの2022年年初からの状況を一つのチャートに重ねてみたいと思います。
水色がS&P500、オレンジが金(ゴールド)、緑が米10年国債利回り、紺色がWTI原油先物、グレーがビットコイン、赤がドル円、黒がユーロ・スイスフランです。(目盛りの違うチャートを単純に重ねているだけです。相対パフォーマンスではないのでご注意ください。)
ウクライナ情勢の緊迫化に伴い、ここ1~2週間の各マーケットはリスクオフが顕著で、安全資産の債券と金が買われ、リスク資産の株やビットコインが急落していますね。
原油は一時トップアウトしたかのようにみえましたが、再度100ドルを目指しています。
主要各国の金融政策が引き締めに向かう中、直近の1週間は、各国の10年債は退避資産として買われ、利回りが下がっていますね。
ここで、ちょっと特徴的なのが為替市場です。
為替市場は、まだ「全面リスクオフ」という感じではない
米国株投資とともにFXトレードもされている方は実感されていますが、足元の為替市場はそこまでのリスクオフという感じではありませんね。
以下は、2月月初からの各通貨の対ドルのパフォーマンスです。上にいくほどその通貨が強いことを意味し、また中央の水平線がドルを意味します。
確かにロシアルーブルが売られているのですが、他の通貨は極端なリスクオフの状況ではなく、どちらかというと「様子見」のように見えます。
安全通貨のスイスフランが強いですが、他の安全通貨とされるドルや円は、それほど買われていませんし、逆に先進国リスク通貨の豪ドル・NZドル・ポンドが比較的堅調です。さらに、途上国リスク通貨のブラジルレアルや南アランドの月初からの堅調がまだ崩れていないように見えます。
もうひとつの特徴は、足元の原油高にかかわらず、産油国通貨のカナダドルとノルウェークロ―ネは利上げが織り込まれて弱い点です。
以上ご参考になれば幸いです。