テスラの新工場をめぐって、中国メディアが報道
テスラの新工場をめぐるリーク情報については、まずロイターが、2022年2月24日、テスラが上海に別の新工場を建設、という記事を出しました。(元記事はこちです)
Exclusive: Tesla plans new Shanghai plant to more than double China capacity
上記ロイターのリーク記事は詳しい内容がまだ不明でしたが、2022年5月4日、中国の金融メディアのチャイナ・セキュリティーズ・ジャーナル(The China Securities Journal)が、さらに詳しい記事を出しています。(元記事はこちらです。)
同記事をまとめると、以下のような内容です。
- 複数の情報源にまとめると、テスラは、生産能力を拡大するために、上海の新城にある現在のギガファクトリーの近くに、別の新しい工場を建設する計画が明らかになっています。
- 新工場では、モデル3とモデルYのモデルを生産し、推定年間生産能力は45万台で、新工場稼働後の上海の2つの工場の総生産能力は年間100万台に達すると見込まれます。
- 数ヶ月前、同メディアの記者は、ギガファクトリーの現地視察中に、現在のテスラ工場から約200メートル離れた広大な土地が将来の新しい工場の計画に含まれているという情報を入手しました。
- テスラは、5月1日、上海自由貿易区の地方政府当局に宛てた感謝状の中で、上海ギガファクトリーの再開を支援してくれた当地方政府に感謝の意を表すとともに、現在のギガファクトリーの近くに、45万台のモデル3とモデルYの生産のための新工場を建設する計画があることを明記しています。
テスラは現在、上海、カリフォルニア、テキサス(新工場)、ベルリン(新工場)の4つの工場を保有しており、最大生産能力は約240万~250万台です。
テスラは、当面の間、納車台数を年間50%増加させることを目標としています。これは、2024年までに年間約320万台の納車を意味し、この生産量は新しい工場を必要とするレベルです。
2021年、既存の上海工場は計48万4千台の車両を納車(前年比△235%)、そのうち16万台以上が海外10か国以上に輸出されました。 2021年のテスラの全社納車台数は93万6千台で、上海工場は全体の51.7%を占めています。
テスラの既存工場のいくつかは拡張が可能で、たとえばテキサス・オースティン新工場は、まだスペースに余裕があります。しかし全社目標の生産台数の増加のためには、まったく新しい工場の建設が必要です。
テスラは、既存の上海工場の成功によって、上海を次の新工場の拠点に選んだ可能性があります。現在の上海工場は、4つの工場の中で最も生産性が高く、コストが低いため、同社全体の利益率向上に貢献しています。また同工場は、迅速に建設され、約15か月で稼働開始しました。一方、ベルリン新工場は、(給水業者へのライセンスをめぐる異議申立訴訟などによって)稼働開始に約25か月かかりました。
テスラは、「世界最大の自動車輸出ハブ」をめざす上海の地方政府当局と、良好な関係を保っていることがうかがえます。
ご参考になれば幸いです。