ドル円は129円台、1日で2円下落。
その記事を書いてからまだ4日しか経っていないのに、ドル円はさらに約3円の円安がすすんでいます。
前回と同じく、ドル円チャートを逆さにした円ドルの長期チャートをのせておきます。
私が購読している江守哲氏のメルマガの、今朝のコメントを紹介します。
ドル円は朝方の取引ですでに129円台に乗せている。ものすごいスピードで上昇している。このまま制御できなければ、1992年のポンド崩落のようなことにもなりかねない。日本売りが出ていることに日本の当局が気づいていないようである。安部元首相・日銀の黒田総裁の円安政策がここにきて大きな問題になり始めている。そう簡単には止まらないのではないか。130円には特に節目はない。次は135円、147円、160円である。160円もあり得るのではないかと思わせる値動きである。
ウクライナ侵攻前に戻ったルーブル、一方で売り浴びせられる円。
足元の為替相場で対照的な動きをしているのが、ロシア・ルーブルと日本円です。
赤がドル/ルーブル(目盛りは左)で、青がドル/円(目盛りは右)です。
ウクライナ侵攻を契機に、ルーブルは一時大きく売られましたが、現在はなんと侵攻前の水準に戻っています。ロシアに対する経済制裁は長期的にロシア経済に影響を与えると考えられていますが、短期的には資源価格の高止まり・輸入減少で資源大国ロシアの通貨ルーブルは買われて、元の水準まで戻っているわけですね。
日銀の金融政策自体が円安を正当化している。
下のチャートは、先進国の10年国債利回りの推移です。
ドイツの長期金利にもすっかり逆転されて、日本の長期金利は先進国の中で異様な推移を続けていることがわかります。
注目は、5月4日のFOMC。
足元のドル円相場は、日米金利差の拡大を背景に、投機的な「日本売り」として売り浴びせられているのが現状だと思います。
ドル高の「材料出尽くし」になる可能性があるのは、5月4日に予定されている次回のFOMCで、大幅利上げと量的引き締めが決定された場合です。
FOMCは、1年に8回、今年2022年の日程は以下の通りです。
- 1月25日 〜 26日
- 3月15日 〜 16日
- 5月3日 〜 4日
- 6月14日 〜 15日
- 7月26日 〜 27日
- 9月20日 〜 21日
- 11月1日 〜 2日
- 12月13日 〜 14日
グローバル金融市場で最も大きな政策イベントは、米国FOMCの金融政策発表です。
ちなみに昨年は、(大きくタカ派に傾いた)6月のFOMCが、多くの金融商品の相場の転換点になりました。
ただし投機的な円の売り浴びせの動きとは別にして、日本経済のファンダメンタルズからみて長期的な円安トレンドは続く可能性が高いと思うのは、前回の記事通りです。
以上、ご参考になれば幸いです。