ARK Invest、本社を11月にフロリダに移転
著名ファンドマネージャーのキャシーウッド氏率いるARKInvestは、10月6日、本社をニューヨーク市からフロリダ州セントピーターズバーグに、11月1日付で移転すると発表しました。
ARK Investはまた、フロリダの地方自治体と協力して、インキュベーター施設を建設する計画を発表しました。これは、「セントピーターズバーグとタンパベイ地域の起業家や技術系のスタートアップを支援することで、優秀な人材を維持し、引き付けること」を目的としています。インキュベーター施設は、「ARK Innovation Center」と名付けられ、来年初めに着工、2023年7月にオープンする予定です。
キャシーウッド氏は、以下のように声明を出しています。
ARK is not a traditional Wall Street asset management firm, and we are looking forward to breaking the mold further by relocating to St. Petersburg, a city investing in technology, science, and innovation.
ARKはウォール街の伝統的な資産運用会社ではありません。テクノロジー、科学、イノベーションに投資する都市セントピーターズバーグに移転することで、古い殻をさらに破ることを楽しみにしています。
フロリダは温暖なだけでなく、税金も安い
昨年のパンデミック以来、シタデルやブラックストーンなど、ウォール街の多数の企業がフロリダにオフィスを開設しており、著名ヘッジファンドマネージャーのポールシンガー(Paul Singer)氏率いる、エリオットインベストメントマネジメント(Elliott Investment Management)は、本社をNYからウェストパームビーチに移転しています。
パンデミック以降のリモートワークの進展もあって、NYやサンフランシスコのような大都市の高い不動産や高い税金が再考されているようですね。
ちなみに温暖なフロリダ州は、ワシントン州・ネバダ州・テキサス州などと同様に、州での個人所得税が課税されない州です。(なお、テスラのイーロンマスク氏は、新工場のあるテキサス州に引っ越し済みです。)
ただし、ほとんどの投資会社は、大都市でのネットワークや人材を失うことを懸念して、本社移転をためらっているようです。
バロンズによれば、SECの今年9月時点のデータでは、フロリダに本社を置く投資会社は、業界全体のまだわずか1.4%だそうです。
ただしARK Investのフロリダ移転で、他社の移転に勢いがつくかもしれませんね。