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コラム

農産物CFDを、世界の土壌分類の観点でまとめてみよう(コーン、小麦、大豆ほか)

はじめに

この記事では、農産物CFD(コーン、小麦、大豆、綿花、コーヒー、砂糖など)を、生育条件、特に土壌分類の観点で俯瞰してみたいと思います。

土壌分類は高校で習うものですが、大人になってからあらためて習うと、とても楽しいですね!

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高校の地理で学習する土壌分類

まずは高校の地理で学習する土壌分類をおさらいしたいと思います。
授業用にネット上で公開されていものを、利用させていただきます(データ元はこちらです)。

高校の地理では、世界で最も肥沃な土壌として、上の地図のこげ茶色の部分の黒土(ウクライナあたりのチェルノーゼムや、北米の穀倉地帯のプレーリー土)を学習しますね。
北米のプレーリー地帯は、主要な農産物CFDの対象である小麦・コーン・大豆などの大生産地であり、また、東欧地域も世界的な小麦の生産地です。

また、高校の地理では、土壌区分を、以下の様に「成帯土壌」と「間帯土壌」に大分類しています。

成帯土壌(気候帯や植生に関係し、気候帯と分布が一致する土壌)

名称栄養
チェルノーゼム
プレーリー土※
黒色厚い腐植※を含んでおり、物理的、化学的性質ともにバランスのとれた最も肥沃な土壌。
(例:米国のプレーリー地帯、東欧)
褐色森林土褐色湿潤温帯の落葉広葉樹林に発達する土壌で、表層は腐植を含んでおり、肥沃な土壌
(例:日本の本州以南)
栗色土栗色温帯の乾燥したステップに分布する土壌で、表層は腐植を含んでおり、肥沃な土壌
ラトソル紅色湿潤熱帯における主要な土壌で痩せている。風化と養分溶脱を激しく受けた酸性土
(例:ブラジル)
赤黄色土赤色主に亜熱帯で大量の降雨により有機物が溶脱した酸性土壌で痩せている
(例:東南アジア)
砂漠土淡赤食・淡白色塩性化している
ポドゾル灰白色寒冷な気候の痩せた土壌。養分が溶脱された酸性土壌のため、中和のために石灰の施用が必要。
ツンドラ土灰褐色寒さのために農耕不可

 

間帯土壌(元々あった岩石の影響が強い特定のエリア)

名称地域 
レグールデカン高原黒色玄武岩が風化してできた肥沃な土壌
綿花栽培
テラローシャブラジル高原赤紫色玄武岩が風化してできた肥沃な土壌
コーヒー栽培
テラロッサ地中海沿岸赤色石灰岩が風化してできた土壌
肥沃度は低い
果樹園

※「腐植」とは土に含まれている有機物のことで、動植物などの生物遺体が土壌中の微生物作用などによって分解と腐植化という二通りの経過を経てできたものです。腐植は、水持ちを良くする、肥料持ちを高める、土を柔らかくするなど、土に様々な良い働きをします。腐植が多い土は色が黒っぽく、逆に白っぽく黄色味帯びた土は腐植が少ない土です。

日本の高校で学習する上記の内容は、「近代土壌学の祖」と呼ばれるロシアの土壌学者ドクチャーエフが、気候と植生因子、土壌生成論のもとに提唱した土壌分類に基づいています。この分類法では、気候帯に沿って類似の土壌が分布していることがわかりますね。

(参考)【ケッペンの気候区分】

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米国農務省(USDA)の土壌分類

それでは次に、米国農務省(USDA)の土壌分類(Soil Taxonomy)をおさえておきたいと思います。

欧州や米国では、世界の⼟壌は⺟材・気候・植⽣・地形などの因⼦の単純な組み合わせで分類できるほど単純なものではないことを前提に、対象となる土壌が持っている客観的に計測可能な性質に基づいた分類を基礎としており、USDAがこの分類法を発展させてきたとされています。

高校の地理で学習するチェルノーゼムやプレーリー土は、USDAの分類では「Mollisols(モリソル)」に対応することがわかりますね。(上の地図の濃い緑色の部分です。)
また赤黄色土はUSDAの分類では「Ultisols(アルティソル:黄色い部分)」に対応、ラトソルはUSDAの分類では「Oxisols(オキシソル:ピンク色の部分)」に対応しています。
インドデカン高原のレグールは、USDAの分類では「Vertisols:バーティソル」に対応しています。

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農産物CFDと土壌分類

農産物CFDのなかでも最も代表的な小麦・コーン・大豆は、世界で最も肥沃な土壌とされるチェルノーゼムやプレーリー土、USDAの分類では「Mollisols(モリソル)」が大生産地になっています。

米国は、コーンの生産は世界首位、小麦の生産は世界4位、大豆の生産は世界2位(首位のブラジルと僅差)です。
シェールオイルだけでなく、世界で最も肥沃な土壌が広がっている点でも米国は「持てる国」であることがわかりますね。

綿花の生産大国は、インド、中国、続いて米国です。インド・デカン高原の上記「レグール」「バーティソル」は「黒色綿花土」とも呼ばれ、肥沃な土壌をつかった綿花栽培が有名です。中国では新疆ウイグル自治区がメイン、米国では「コットンベルト」と呼ばれる南東部で綿花栽培が盛んです。同地帯は、砂質ローム・自然条件が適しており、1800年代のプランテーションの黒人奴隷労働力から発展してきたとされています。

ブラジルは上述の通り、大豆生産が世界首位、他にさとうきび、コーヒー、オレンジなどの生産が有名です。ブラジルは、上述の通り「ラトソル」「オキシソル」と呼ばれる痩せた酸性の土壌が中心で、土壌としては恵まれていない国です。

ブラジルは、酸性の土壌に対して、大量の石灰を入れて中和することで土壌改良を続けたことで農業大国になっています。ブラジルは土壌の面では、米国のようにもともと「持てる国」ではなかったのですね。

以上、土壌の観点から農産物CFDを俯瞰してみました。
ご参考になれば幸いです。


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