(1)『3波狙いトレード戦略(米国株.com式)』とは?
(2)トレンド転換とは?
(3)推奨設定(時間足・トレード対象他)
(4)質の良い1波の見極め
(5)2波・3波の待ち方
(6)波動のフラクタル構造と「3波3波」
(7)最もトレードしやすい株価指数CFDは何か?
(8)貴方のポートフォリオは、長期と短期に分かれていますか?
はじめに
この連載記事のテーマである『3波狙いCFDトレード戦略(米国株.com式)』は、エントリーから決済まで数日程度をかけるスイング・トレードで、(デイトレードほど短くはないですが)短期トレードに属するものです。
ただし当サイト「米国株.com」のメイン・テーマは、あくまで米国株の長期投資です(誤解のなきように・・・)。
この記事では、ポートフォリオのなかで、長期投資と短期トレードを両立させる投資戦略について、まとめておきたいと思います。
ポートフォリオを、長期投資と短期トレードに分けて管理しよう
まず、長期投資と短期トレードを両立させる投資戦略の参考として、江守哲氏(住商出身の著名ファンドマネージャー)の以下のメルマガを紹介します。私は、長年、このメルマガを愛読しています。
このメルマガを愛読している理由は、ヘッジファンドの基本戦略の一つである「グローバル・マクロ戦略」の投資スキルを毎日学習することができ、グローバル分散投資のレベルを高めることができると確信しているためです。
江守氏は、投資の基本として、ポートフォリオを;
- 長期投資:コアポートフォリオ戦略(70%)
- 短期投資:短期トレード戦略(30%)
の2つに大きく分けることを推奨しています。
長期投資は、米国株中心(S&P500・ナスダック100などのETF)による積立・押し目買いで、江守氏はSPY(S&P500のETF)、QQQ(ナスダック100のETF)、FANG指数、インドETFなどを対象候補にあげています。
一方短期トレードは先物・CFDを利用した短期的な売買取引で、
株式指数(コア):ダウ平均、S&P500、ナスダック指数/(サテライト)FANG指数、ラッセル2000、日経平均、TOPIX(ひとつに絞るか、コアから二つ選択肢、サテライトは採用しない)
通貨:(コア)ドル円、ユーロドル、ポンドドル、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン/(サテライト)クロス円
コモディティ:(コア)金、銀、銅、アルミ、WTI原油、コーン、大豆、小麦/(サテライト)プラチナ、パラジウム、ニッケル、亜鉛、鉛、天然ガス、大豆ミール、大豆油、ココア、綿花、コーヒー、砂糖
を候補としてあげています。
なおご参考に、同氏のメルマガでは、この短期トレードの様々な候補について、長文の相場分析にくわえてトレードの方向性(参考)が以下の例のように毎日配信されています。
(以下は、同氏のメルマガのある日の短期トレードの方向性(参考)を、米国株.comが表形式にまとめたものです。同氏のメルマガは長文のテキスト形式です。)
コア | サテライト | |
米国株価指数 | S&P500:ショート ナスダック100:ショート 米10年債先物:ロング | ダウ平均:ショートに転換 FANG指数:ショート ラッセル2000:ショート SOX:ロング VIX:ロング ハイイールド債(HYG):ショートに転換 <積み立て投資戦略> 押し目買いターゲット(参考) SPY:353.84 QQQ:267.08 |
日本株式指数 | ー | 日経平均株価:ショート TOPIX:ショート |
欧州・中国株式指数 | ー | FTSE:ショート DAX:ショートに転換 ユーロストックス600:ショートに転換 中国A50:ショート(または買い戻し) ハンセン指数:ショート(または買い戻し) ハンセン中国H株:ショート |
通貨 | ドル円:ロング(または手仕舞い売り) ユーロドル:ショート(または買い戻し) ポンドドル:ショート 豪ドル/米ドル:ショート NZドル/米ドル:ショート 米ドル/カナダドル:ロング 米ドル/スイスフラン:ロング(または手仕舞い売り) | ユーロ円:ロングに転換 ポンド円:ロング 豪ドル円:ロング NZドル円:ロングに転換 カナダドル円:ロング スイスフラン円:ロングに転換 ユーロポンド:ショート 豪ドルNZドル:ショート(または買い戻し) ユーロ豪ドル:ショート ポンド豪ドル:ショート ユーロスイスフラン:ショート(または買い戻し) ポンドスイスフラン:ショートに転換 豪ドルスイスフラン:ロング |
貴金属 | 金:ショート(または買い戻し) 銀:ショート(または買い戻し) | プラチナ:ショート パラジウム:ショート |
非鉄金属 | アルミ:ショート 銅:ショート | ニッケル:見送り(または買い戻し) 亜鉛:ショート 鉛:ショート |
エネルギー | WTI原油:ショート 天然ガス:ロング | ブレント原油:ショート RBOBガソリン:ショート ヒーティングオイル:ロング |
農産物 | コーン:ショート 大豆:ショート 小麦:ショート | 大豆ミール:ロング 大豆油:ショート ココア:ショートに転換 綿花:ショート コーヒー:ショート(または買い戻し) 砂糖:ロング |
江守氏のメルマガは以下のバナーから確認してみてください。試し購読もできます。
なお上記のような様々なジャンルの短期トレードのプラットフォームとして、様々なCFDをワンストップで取引できるIG証券をおすすめしています。
長期投資と短期トレードを切り分けることが金融リテラシーの第1歩
今年2022年の下落相場において、日本では、「レバナス」と呼ばれるナスダック100にレバレッジをかけたETFに投資した方が、大きな損失を被ったことが話題となりましたが、この事態の根本的な問題は、日本では長期投資と短期トレードを切り分けていない個人投資家が多いことであると思います。
日本では、短期トレードは単なる投機とみなす傾向がありますが、短期トレードも長期投資と同様に重要な金融リテラシーであると思います。
ここで問題となるのは、長期投資は、積立投資に代表されるように比較的始めることが簡単であるのに対して、短期トレードは、トレードのスキルや経験を身につけないと良いパフォーマンスを出せない、という事実です。こうしたことを踏まえて、当サイトの『3波狙いCFDトレード戦略(米国株.com式)』は、これから短期トレードを始める方でも取り組むことができる具体的な短期トレード戦略としてまとめています。