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ペイパルの成長を支えるカギを、Investor Dayの動画で確認してみよう
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好調が続くペイパル
下のチャートは、直近約3年について、ペイパル(PYPL)の株価を、マスターカード(MA)およびビザ(V)と相対比較したものです。
下段はペイパルの四半期毎の売上高と純利益(及びEPS)の推移を示しています。
今年2021年に入ってから、パフォーマンスの差はさらに広がっていますね。
Investor Dayの動画で5年計画を確認してみよう
ペイパルは、今月の2月11日に、「Investor Day」と題した投資家向け説明会で、今後5年の経営計画などを発表しています。動画や当日の資料(PDF)は、下記のリンクからアクセスできます。
2021 インベスター・デイ
2021年2月11日
サイトにはCEOダン・シュルマン氏のプレゼンをはじめ、複数の動画がアップされています。この記事では、特にCFOのジョン・レイニー氏のプレゼンから、同社の今後の成長を支えるカギについてまとめてみたいと思います。
CFO Remarks:
John Rainey, CFO and EVP of Global Customer Operations
同CFOは、ペイパルの5か年計画の数値目標について;
- アクティブ・アカウントは、現在の3億7700万から、2025年までに7億5000万に増加
- 同社の収益のベースとなるユーザーの総支払額(TPV)は、年率25%で拡大し、2025年までに2.8兆ドルに増加
- 収益は、今年の256億ドルから、2025年は500億ドル以上へ
- オペレーティング・マージン(営業利益率)は、25%から28%に上昇
- EPS(1株当たり利益)は年平均22%増加
- 今後5年間で400億ドルのFCF(フリーキャッシュフロー)を創出し、2025年は100億ドル以上へ
- FCFの30%~40%は自社株買いに充当
と説明されています。
むこう5年間で、ボリュームが2倍になるだけでなく、収益性(利益率)も上昇するイメージですね。
これらを達成するためのカギとなる戦略として、
まず「Buy Now Pay Later」と呼ばれる無利子の分割払いのサービスが挙げられます。このサービスは現在急拡大しており、第4四半期の取引量は7億5,000万ドルに上ります。
4回払いで最初に25%を支払い、残り3回は2週間に1回ずつ自動的に送金される、というもので、ユーザーとマーチャント企業の双方から高いニーズがあるようです。
2番目の成長ドライバーは仮想通貨です。 ペイパルのユーザーは、既にビットコインやその他の仮想通貨を購入してアプリに保存できるようになっており、仮想通貨を保有する50%以上のユーザーは、毎日ペイパルにログインしています。同社は、仮想通貨が、プラットフォーム上で消費者とマーチャントの間の仲介役として機能することで同社の収益拡大につながるとみています。
また、同社の最も人気のあるアプリの一つである「Venmo」を、消費者からマーチャント企業への支払いプラットフォームとして使用することを計画しています。 Venmoは、個人間送金アプリとして人気が高く、友人や家族への送金が、スマホ上のシンプルな操作でできるものです。
ベンモは2009年に設立、その後2012年にブレインツリーに買収され、さらに2013年にペイパルがブレインツリーを買収しました。Venmoのブランドは残したままです。