金融市場をリスクオフにさせる「ウクライナ情勢」とは?
「NATO(北大西洋条約機構)に入りたいウクライナに対して、それを阻止したいロシアが、大規模なウクライナ侵攻を計画している。」と報道されており、この地政学リスクに対して世界の株式市場が動揺しています。
もともと、2014年に「ウクライナ危機」が発生しました。ウクライナはEUの加盟国候補になるための手順として、EUと連合協定を結ぼうとしましたが、これに対してロシアは、住民投票でロシア帰属が選ばれたという形で戦略上極めて重要なクリミア半島を併合しました。
ウクライナは、(ざっというと)ロシアの一番弟子みたいなもので、ソ連崩壊後に独立国にはなったものの、親ロシア国でした。それが、ウクライナがEUに加盟したがったことで情勢が変化していき、それ以来ウクライナとロシアと国境地域では、内戦が続いています。欧州の防衛・軍事は、米国をトップとしたNATOの枠組みの中であり、ロシア絡みの内戦が続くウクライナとしては、自国の安全保障のためにどうしてもNATOに入りたがっています。一方ロシアは米国に対して、ウクライナにNATO軍を派遣しないことや、NATOに加盟させないことを要求しています。
米国と同盟各国は、ロシアがウクライナへ侵攻すれば新たな制裁を科すと警告しています。米国は来週にも自らの立場を文書にまとめ、米ロはさらに協議する予定となっています。
ウクライナ情勢緊迫の中で、注目のコモディティCFDは「小麦CFD」
ウクライナ情勢について世界の金融市場がリスクオフに反応していますが、中でも注目されるコモディティ相場が、「小麦」です。
ロシアは世界最大の小麦輸出国で、ウクライナは第4位の輸出国です。ロシアとウクライナが衝突した場合、黒海地域の穀物輸出に混乱が生じる可能性がある、と見られています。
小麦の先物は、CBOT(シカゴ商品取引所、CMEグループの主要取引所)に上場されています。以下のチャートは、2020年年初からの、CBOTの小麦先物の推移を示しています。
小麦相場は、2020年の中盤から長期上昇相場が続いており、その中で足元でウクライナ情勢の緊迫が懸念されていることがわかりますね。
下のチャートは、小麦のパフォーマンスを、他の主要なコモディティ(石油、天然ガス、金、銀、銅、コーン、大豆)と、2021年年初から相対比較したものです。青の太線が小麦です。
今回のウクライナ情勢に限らず、主要なコモディティ相場の動きについては見ておくと良いと思います。
小麦CFDを取り扱う国内証券会社
国内証券では「IG証券」において、小麦CFDを取り扱っています。