(1)事業別の半導体関連銘柄リスト
(2)半導体関連ETF「SOXX」と「SMH」
(3)「IDM」と「ファブレス」で分類してみよう
(4)半導体の製造工程で分類してみよう
(5)TSMCの米国アリゾナ新工場関連の記事まとめ(随時更新)
(6)「SOX指数」とは(長期の片対数チャートで見てみよう)
(7)ニコンはなぜASMLに勝てなかったのか
(8)オランダのシリコンバレー「アイントホーフェン」てどんなところ?
(9)TSMCが半導体製造の「後工程」のR&D拠点を日本に作るのはなぜか?(TV報道に要注意)
(10)インテルが投資計画を発表。TSMCに「どのように(How)追いつくのか」が見えない市場の反応は・・・
(11)半導体業界を根本から変えた台湾TSMCの創業者「モリス・チャン氏」
(12)台湾加権指数は、IT銘柄が5割を占める「テック型株価指数」
(13)日本の半導体産業は「戦後の焼け野原」
(14)インテルの大規模投資は、復活の序章か?(Global Foundriesの買収交渉中)
(15)自動車産業の半導体不足は、ジャストインタイムへの依存による「自業自得」か?
アイントホーフェンとは?
この記事は、「米国株半導体関連銘柄特集」のシリーズの一環として書いています。
米国株投資を始めると、「ASML」と「NXP」という2つのオランダの半導体大手企業が気になってきます。2社ともに、とても良い銘柄です。そこでこの2社の本拠地はどんなところか、まとめてみたいと思います。
アイントホーフェンは、「人口当たりの特許出願件数が世界一(OECD調べ)」で、オランダのシリコンバレーと呼ばれています。
サッカー好きな方は、アイントホーフェンといえば、2019~2020年に堂安律選手がプレーしたチーム「PSVアイントホーフェン」を連想するでしょうね。(堂安選手は今季はドイツにレンタル移籍中です。)
PSVアイントホーフェンの本拠地スタジアムの名前は、「フィリップス・スタディオン」。大手電機メーカーのフィリップスが所有するスタジアムです。
アイントホーフェン(Eindhoven)は、オランダ南部のオランダ第5位の人口を擁する都市です。アイントホーフェンは、1891年に、フィリップスがこの地で創業したことで、関連企業とともに発展を遂げました。(なお、現在フィリップスの本社機能はアムステルダムに移転しています。)
ASML・NXPとフィリップスの関係
SOX指数の記事のなかで、SOX指数の構成銘柄には米国企業ではない企業が3社(ASML、NXP、TSMC)含まれていることを紹介しました。その3社のうち、露光装置世界トップのASMLと、車載用半導体世界トップのNXPセミコンダクターズ(以下NXP)はオランダの企業で、ともにこの地域に本社があります。NXPはアイントホーフェンに本社を置き、一方ASMLは、正確にはフェルトホーフェンというすぐ隣の街(アイントホーフェンの郊外で、空港は同じ)に本社があります。
ASMLとNXPはともにフィリップスと深い関係があります。ASMLは、1984年にフィリップスとASMインターナショナルという会社が50%ずつ出資して設立されました。一方、NXPは、2006年にフィリップスが半導体事業部門を、KKRをはじめとする投資会社グループに売却したのちに設立された会社です。
なおフィリップスは、大規模な事業ポートフォリオの再構築・分社化を実施して、現在はヘルスケア事業主体の会社になっています。
ブレインポート・HTCはオープンイノベーションの中核
オランダ政府は、2000年代にフィリップスなどの大企業が相次いで大規模な事業再構築、分社化、人員削減を実施したことを受けて、人材を囲い入れるためのハイテクキャンパスとビジネスの組み合わせである「ブレインポート地区(Brainport Region Eindhoven)」を設置しました。
その地区の一部であるHTC(High Tech Campus Eindhoven)には、フィリップス、インテル、IBM、ASMLをはじめ世界の160社の研究拠点が集積しており、オープンイノベーションを推進するクラスターになっています。
日本企業ではシマノの欧州本社や、富士フイルムの欧州研究拠点があります。ブレインポート地区は現在、エアポートアムステルダム、シーポートロッテルダムと並ぶオランダ経済の3本柱に成長しています。
オランダは圧倒的に起業しやすい
オランダは、様々な起業支援プログラムや税制優遇で、世界一起業しやすい国と言われています。(起業だけでなく移住もしやすい国です。)
下にアイントホーフェンの企業誘致用の動画を掲載しておきます。
Living and working in Eindhoven